この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第1章 熱の明くる日
「こっの馬鹿っ…」
「ばかじゃないもん」
寝台の上に仰向けに転がされた姫は、恋人に向かって手を伸ばしました。
「んなこと…バレたらどうすんだ」
「別にいいじゃない。婚約してる恋人達が、恋人達のする一番恋人達らしいことをしてるだけよ?」
恋人が覆い被さって鼻先に口づけて来たので、スグリ姫はくすぐったさに首をすくめて、伸ばしていた手を恋人の首に回して引き寄せました。
「…それに、サクナだってしたでしょ。お相子よ」
「俺がしたって、こんなことか?」
そう言うとサクナは背中から姫を抱き、先程姫がしたように背中に何度か口づけました。

「ん…じゃなくて、この前、小父様…大臣に、謝りたい事があるって言われて…すっごく、ドキドキしたんだから」
「謝る?」
姫の言葉で口づけが止み、止んだ代わりに体がきゅっと抱き寄せられました。
「ん。もしかして『お手合わせの間」で廊下に居た時、私たちに気が付いてたとかだったらどうしよう、って…」
違ったけど、と言った姫は、サウナが静かになったことと、抱き締められた腕が緩んだことに気が付いて、くるっと回ってサクナに向かい合いました。

「…何を、謝られたんだ?」
向かい合って見たサクナの顔は、いつものように不機嫌そうでしたが、微かに悲しそうに見えました。
「ごめんなさい、うっかり…今言うつもりじゃ、なかったんだけど」
空いた隙間を埋めるように、姫はサクナにぎゅうっと抱き付きました。

「私が一緒に行くのを止めたのは自分だって、謝られたの」
「…ああ」
「止めた理由の説明で、サクナのお家のお仕事のこと聞いた。」
「そうか」
「自分が居ない間に、私が他の人からそういうのを聞くのって、嫌よね。ごめんなさい」
「いや、」

今度はサクナが姫を抱く手に、ぎゅっと力が籠められました。
「謝らなきゃいけねぇのは、こっちだ」
サクナはそう言うと、姫の髪を撫でました。
「話さなくてごめんな。色々普通じゃ無ぇから、お前がどう思うのか、怖かった」
撫でている髪に口づけて、もう一度姫をぎゅっと抱き締めました。
「…悩んだろ」
「悩んだけど、」
スグリ姫は、サクナがどんな顔をしているのかが気になって、抱き締められた腕の中でもそもそ動いて、少し上を向きました。
見上げた顔が不機嫌そうで悲しそうな上、寂しそうでもあったので、ごそごそ片手を引っ張り出して、サクナの頬を撫でました。
/50ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ