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流されカノジョ
第1章 入社式から1週間
最寄駅に着いてから石山は彩の手を繋いでタクシーに乗り込んだ。
行き先を告げて動いた車内で繋がれた指が彩を弄ぶ。
掌を円を書くようになぞったり、指を絡めてきゅ、きゅ、と握ったり、この後の情事を誘うような甘い気持ちに彩は頭を石山に預けた。
数十分もしないで彩の家まで着いたが石山は彩だけを降ろした。
「ほら、部屋まで入りな?」と優しく声をかけたが、期待で胸がいっぱあの彩は「お茶、出しますから…」と小さく呟いた。
自分から誘うのは恥ずかしくて、居た堪れない気持ちになって目頭が熱くなった彩を見て笑った石山はタクシーの運転手にお釣りはいらないと言って車内を出た。
オートロックのマンションの鍵を開けて、先に部屋に入った石山は玄関の鍵をかけた彩の腕を自分に寄せてそのままキスをした。
声を出そうと口開けたら舌が絡まった。
「んっ」
腕を寄せた手は腰に回して、もう片方の手は後頭部を撫でながら固定させ息つく間もなく、水音が響く。
歯をなぞって、舌が甘く吸われ、上顎を触りながら、絡められた。
そうして溢れた唾液を送り込まれ、喉を鳴らして飲み込んだ。
「は、…ぁ…、っは」
キスだけでトロトロにされた彩の震えた脚を割って入り、膝が下着越しにグリ、と押し付けられた。
下着が濡れてることに気づいた彩の顔は熱くなって、目の前の石山のスーツをキュッと掴む。
「彩、って呼んでもいい?」
そっと降りて来た石山の唇が首にあたり筋にそって舐められた、入社式のために降ろした彩のスーツのボタンが開いていく。
「は、い……んっ…」
まだ玄関だと言うのに、ワイシャツのボタンも外されて、シンプルなリボンがついた黒のブラジャーが姿を見せた。