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3年目のプロポーズ
第1章 3年目のプロポーズ
「美樹」
優馬は真剣な表情で、一歩二歩と美樹に詰め寄る。
「……そんなつもりは、一切ない」
優馬は真っ直ぐに美樹を見つめていた。
「僕は……“美樹”が、好きだ」
「っ、でも、じゃあ何で……あんなに似てるの? 身代わり以外理由なんてないじゃない!」
美樹の目からどっと涙が溢れてきた。
付き合い始めてから、ずっと感じていた違和感。
女の子を選び放題な優馬が、何故自分を選んだのか────
釣り合いなんてとれていない。会社の女の悪口も的を得ている。それでも、彼のことが好きだった。たまらなく好きだったから、ここまでやってこれた。
なのに────
「っ、泣かないで、美樹」
優馬は泣きじゃくる美樹を抱き締めた。
「っ、やだ、やめて」
「美樹!」
「っ、優馬のこと……好きだけど」
美樹は、優馬の身体を振りほどき、身を引いた。
「今は……信じられないよ……」
信じられない。苦しい。辛い。これなら、浮気されたほうがよっぽどましだ。
「僕が……信じられないの?」
美樹は、夢中でこくこくと頷いた。
もういやだ。恥ずかしい。今すぐここから消えてしまいたい。
「────っきゃ!?」