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3年目のプロポーズ
第1章 3年目のプロポーズ
走馬灯のように、優馬との思い出が脳内に過った。
付き合ってほしい、と言われ、泣きながら頷いた3年前のバレンタインデー。
誕生日に、パティシエ顔負けのケーキを作ってくれた優馬。
ダーツで高得点を連発し、珍しく自慢げな表情を見せた優馬。
正月に、おみくじで凶を引いた美樹に、自分の大吉をくれた優馬。
いつも優しく────神様のように笑いかけてくれた優馬。
「本当に……本気で……別れようと思ってるの?」
優馬の真剣な表情に耐えられず、美樹は思わず顔をそらしたくなった。
「……う、ん」
かろうじてそう答える。
「…………そっ、か」
優馬はそう呟くと、馬乗りになっていた美樹の身体から降りた。