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3年目のプロポーズ
第1章 3年目のプロポーズ
「君が一緒にいない人生なんて……っ、死んだほうがましだ」
「っ、大袈裟だよ……」
「大袈裟なんかじゃない! 僕は君と一生一緒にいたいんだ!」
“ならなんで────結婚しようって、言ってくれないの?”
すんでのところで出かかった本音を何とか押し留め、美樹は冷静につとめた。
「……ねぇ、今日の優馬、やっぱり少しおかしいよ」
温厚で紳士的で、いつも優しく自分を見守る優馬。
完璧と思っていた彼は、こんなにも、脆い人間だったのか?
「優馬らしくない」
「っ、」
「怒っていきなり押し倒すし、今度は急に泣き出すし」
「それは……っ」
「どれだけ怒ってても、優馬は女の子を押し倒すような人じゃないと思う」
「っ、ヒクッ、ご、ごめん……」
それから、優馬が泣き止むまで美樹は何も言わず、ただ隣で彼の背中を擦っていた。それはいつも、彼が自分にしてくれることだった。