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SOS
第1章 邂逅と訣別
「癌ですね」
「は?」
木崎慎太郎(きざき しんたろう)は、目の前の医師が言った言葉が、冗談にしか聞こえなかった。
「な、何言ってるんですか先生。だって俺……身体の不調なんて一切ない……」
「肝臓は、痛みを感じないんですよ。だから手遅れになる。あなたのように、ね」
あまりの衝撃に涙も出ない。これは本当に、現実なのだろうか?
「よ、余命は……あとどのくらい?」
医師は、パソコンでカタカタと入力しながらさらりと告げた。
「二ヶ月ってところですかねー」