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告白の向こう側
第1章 告白の向こう側
「だーかーらぁ! いい加減告白しろって言ってんじゃん」
お酒のせいで顔が火照りながらも私に説教するのは、学生時代サークルで先輩だった加蓮(かれん)さん。
こうして仕事終わりにたまに話を聞いてもらっています。私が片想いをしていることも、その相手が社長であるということも、知っているのは彼女だけ。
「っ、無理ですよ。今まで私が何連敗したと思ってるんですか?」
私は飲み干したグラスを勢い良くテーブルに置いた。
「ほらぁ、またそんなこと気にしてー」
「っ、私の気持ちが分かるのは加蓮さんだけなんですから……」
「そりゃそうだけどさ……言ってみないと始まらないよ?」
「でも……社長には好きな人が」
「私もそうだったよ」
加蓮さんは、横に座る私に向き合うように身体を動かした。