この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
告白の向こう側
第1章 告白の向こう側
ドキドキ……
「うぅ……っ」
社長室でひとり、社長を待つ私は、あまりの緊張に胸が痛くなっていた。
こんなに緊張するのは、入社面接以来かもしれません。
今日は、社長の誕生日。
もうすぐ会議から帰ってくる社長と、このあと二人で食事に行くことになっています。
これは毎年のことで、いつも社長から誘いを受けます。
ただの秘書の私を、自分の誕生日に誘ってくれる社長────
とても光栄ですが、仕事でもないのに私なんかが社長に付き添っていいのだろうか、と少し、申し訳ない気持ちにもなるんです。
「雅……っ!悪いっ……会議が長引いて」
10分後、社長が勢い良く部屋に飛び込んできた。
「社長お疲れ様です。時間はまだありますので、焦らず支度を」
「あぁ、ありがとう」
それでもはやる気持ちを抑えられないのか、社長はバタバタと物音を立てて出掛ける準備をしています。
「社長……準備をしながらで結構ですので……私の質問に答えていただけますか?」
「っ、なんだ?」
「社長は……毎年この日に、なぜ私を誘うのですか?」