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告白の向こう側
第1章 告白の向こう側

ドキドキ……


「うぅ……っ」


社長室でひとり、社長を待つ私は、あまりの緊張に胸が痛くなっていた。

こんなに緊張するのは、入社面接以来かもしれません。


今日は、社長の誕生日。

もうすぐ会議から帰ってくる社長と、このあと二人で食事に行くことになっています。

これは毎年のことで、いつも社長から誘いを受けます。

ただの秘書の私を、自分の誕生日に誘ってくれる社長────

とても光栄ですが、仕事でもないのに私なんかが社長に付き添っていいのだろうか、と少し、申し訳ない気持ちにもなるんです。


「雅……っ!悪いっ……会議が長引いて」

10分後、社長が勢い良く部屋に飛び込んできた。

「社長お疲れ様です。時間はまだありますので、焦らず支度を」

「あぁ、ありがとう」

それでもはやる気持ちを抑えられないのか、社長はバタバタと物音を立てて出掛ける準備をしています。

「社長……準備をしながらで結構ですので……私の質問に答えていただけますか?」

「っ、なんだ?」




「社長は……毎年この日に、なぜ私を誘うのですか?」
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