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「ネガティブ」のバイブル
第1章 エビマヨパン
次に意識を取り戻した時には、そこに天原はいなかった。っていうか、なんで俺はこんなところで寝てたのか。記憶をたどっても、殴られたわけでもないようだし、意識をなくす要因が見当たらない。
時計を見ると、一応まだ昼食時間。あれからそんなに経ってないらしい…。
一段目に足をかける。なんか、階段を上がるのがだるい…。友人たちには先に食べててと言ってあるから、急ぐ必要はない。ゆっくり教室へ戻る。
あの時、俺は天原になにをされたのか。だらだらと階段を登りながら悶々と考える。
単純に視力が無くなるってことなのかと思ったけど、普通に見えてるし、もしかしてそのままの意味じゃないのか。
光を喪う…。光ってなんだ…?
夢?希望?明るい未来?
それとも、今は見えてるけどこれからじわじわ見えなくなっていくとか…。
教室の扉を開けると、クラスのほとんどがすでに食べ終えていた。それはそうだ。昼休みはあと10分もない。弁当組の友人たちも同じで、空になった弁当を前に駄弁っている。
戻ってきた俺に気づき、名前が正之の方の友人が、振り向いた。
「あれ。なんでおまえ眼鏡してん」
「もうダメだ」
友人の言葉を最後まで聞かずに、エビマヨパンを見つめて俺は言った。
時計を見ると、一応まだ昼食時間。あれからそんなに経ってないらしい…。
一段目に足をかける。なんか、階段を上がるのがだるい…。友人たちには先に食べててと言ってあるから、急ぐ必要はない。ゆっくり教室へ戻る。
あの時、俺は天原になにをされたのか。だらだらと階段を登りながら悶々と考える。
単純に視力が無くなるってことなのかと思ったけど、普通に見えてるし、もしかしてそのままの意味じゃないのか。
光を喪う…。光ってなんだ…?
夢?希望?明るい未来?
それとも、今は見えてるけどこれからじわじわ見えなくなっていくとか…。
教室の扉を開けると、クラスのほとんどがすでに食べ終えていた。それはそうだ。昼休みはあと10分もない。弁当組の友人たちも同じで、空になった弁当を前に駄弁っている。
戻ってきた俺に気づき、名前が正之の方の友人が、振り向いた。
「あれ。なんでおまえ眼鏡してん」
「もうダメだ」
友人の言葉を最後まで聞かずに、エビマヨパンを見つめて俺は言った。