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「ネガティブ」のバイブル
第1章 エビマヨパン
だが、二人がかりでがっしりとつかまれているため動けない。
「離せ!俺は不幸になる前に死ぬううっ!」
「落ち着けって!どういうことだよ?奪われるって、誰に…」
正之が事情を聞こうと言いかけた時。言葉は、途中で降ってきた誰かの声にかき消される。
「じゃあ、死ぬ前に一発ヤラせてあげよっか?」
振り向くと、一人の女子が立っていた。
「え……」
いきなりの過激な発言に、一同黙る。しかも、その人物が意外な女子だっただけに余計。
「どうせならヤりたいことヤっちゃいなよ~、死ぬ前に。そうすれば気も変わるかもしれないし」
そう言ったのは、成瀬 瑠奈――ナルセ ルナ――クラスメイトの一人。セミロングの色素の薄い髪にソバージュをかけ、いつもガムを噛んでいる。クラスでは少し浮いていて、いわゆる“天然ちゃん”扱いされている。
それだけに、成瀬がそんなことを言ったのは皆にとっても意外だった。
「おーーーい。どうすんの?」
黙ったままの俺に、成瀬はクッチャクッチャとガムを噛みながら、しびれを切らしたように言った。
「離せ!俺は不幸になる前に死ぬううっ!」
「落ち着けって!どういうことだよ?奪われるって、誰に…」
正之が事情を聞こうと言いかけた時。言葉は、途中で降ってきた誰かの声にかき消される。
「じゃあ、死ぬ前に一発ヤラせてあげよっか?」
振り向くと、一人の女子が立っていた。
「え……」
いきなりの過激な発言に、一同黙る。しかも、その人物が意外な女子だっただけに余計。
「どうせならヤりたいことヤっちゃいなよ~、死ぬ前に。そうすれば気も変わるかもしれないし」
そう言ったのは、成瀬 瑠奈――ナルセ ルナ――クラスメイトの一人。セミロングの色素の薄い髪にソバージュをかけ、いつもガムを噛んでいる。クラスでは少し浮いていて、いわゆる“天然ちゃん”扱いされている。
それだけに、成瀬がそんなことを言ったのは皆にとっても意外だった。
「おーーーい。どうすんの?」
黙ったままの俺に、成瀬はクッチャクッチャとガムを噛みながら、しびれを切らしたように言った。