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「ネガティブ」のバイブル
第3章 Gメン…いや、G以下メン
夜、勉強をしていた弟は、トイレに行こうと自室を出る。階段を降り、トイレ前の暗い洗面所を横切ろうとした時。暗闇の中、誰かが静かに佇んでいることに気づいた。
「ひっ」
人の背中が見える。屈んでいるようだ。恐る恐る電気を点けると…それは自分の兄だった。俺だ。
「なんだ兄貴か。……げっ」
振り向いた俺の足元に目が行った瞬間、弟は顔を歪めた。
俺は足元に視線を戻す。そこには、暗闇が好きで自身も夜闇の如く漆黒に染まった雑食系のアイツの、死骸の一部がバラバラに転がっていた。その残された羽やら足やらを、俺は無言のまま見つめた。
と、弟が怖々と口を開く。
「ちょ…まさかそれ食ったの?ここで…」
静かに頷く。弟はドン引いていた。
「さっき、喉が乾いて下に降りてきたんだけど…かなりでかい蜘蛛がここにいてさ。食べてたんだよ、こいつを」
壁を指差し、俺が言った。それを聞いた弟の表情からは、なんだ蜘蛛がか、と安堵したのが見て取れた。
「ああー…」
「最初は気持ち悪がって見てたんだけど、キレイに食べ終わった蜘蛛が、満足したように去っていくのを見てさ…」
「ホッとした?」
俺は首を横に振った。
「ひっ」
人の背中が見える。屈んでいるようだ。恐る恐る電気を点けると…それは自分の兄だった。俺だ。
「なんだ兄貴か。……げっ」
振り向いた俺の足元に目が行った瞬間、弟は顔を歪めた。
俺は足元に視線を戻す。そこには、暗闇が好きで自身も夜闇の如く漆黒に染まった雑食系のアイツの、死骸の一部がバラバラに転がっていた。その残された羽やら足やらを、俺は無言のまま見つめた。
と、弟が怖々と口を開く。
「ちょ…まさかそれ食ったの?ここで…」
静かに頷く。弟はドン引いていた。
「さっき、喉が乾いて下に降りてきたんだけど…かなりでかい蜘蛛がここにいてさ。食べてたんだよ、こいつを」
壁を指差し、俺が言った。それを聞いた弟の表情からは、なんだ蜘蛛がか、と安堵したのが見て取れた。
「ああー…」
「最初は気持ち悪がって見てたんだけど、キレイに食べ終わった蜘蛛が、満足したように去っていくのを見てさ…」
「ホッとした?」
俺は首を横に振った。