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「ネガティブ」のバイブル
第3章 Gメン…いや、G以下メン
慌ててどくと、天原は教室を出てどこかへ行ってしまった。

ホームルーム前のクラスは、ガヤガヤと騒々しかった。男子のほとんどはイケメン二人を中心に盛り上がり、女子たちはグループごとに雑談していた。

正之は、正之じゃない方の友人とだらだら話しているようだ。

いつもなら二人の話に加わるところだが、声をかけず自分の席に戻る。一人、ぼーっと窓の外を眺めていた。


「あそこ、いつでも使っていいってさ」

突然の声にビクリと振り向くと、成瀬が横に立っていた。相変わらずクッチャクッチャとガムを噛んでいる。

「え…ああ…」
…美術準備室のことか。とはいえ、使っていいって言われても、使う用事なんて特に無いしな。

と、俺の心を読んだように、成瀬は続ける。

「あたしみたいな人、他にもいるから。いろんな人とセックスしてみたらいいんじゃない?」

「えっ…!?」
濁点がついたような声が出た。成瀬は唐突に過激なことを言うからびっくりする。

…天然ちゃんキャラはどこへいったの?

「だいたい皆あそこに溜まってるから、気が向いたらいつでも来なよ」
そう言い残し、成瀬は自分の席に戻っていく。

と、そこへ、ちょうど天原が戻ってきた。そしてまもなく、ホームルーム開始を知らせる鐘が鳴った。
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