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「ネガティブ」のバイブル
第4章 不幸の眼鏡
「えと…お互い大変だね、結構強引に実行委員に決まっちゃって。特に市野くんなんて、写真部だからっていう、学級旗に直接関係ない理由だし」

今までそんな素振りを微塵も出さなかったのに唐突だが、実は、俺は写真部員だ。

…そうか。ここにいるってことは、黒川さんがもう一人の実行委員なんだよな。

「あー…そんな理由だったっけ」

「うん。最終的にうなずいたのは私たちだけどね」

「そうなんだ…あ、いや、そうだったね…。黒川さんも俺も、ついてなかったね」

言われてみれば、確かにあんまり話聞いてなくて適当に返事した気もする…。

「…私はそうでもないよ…」

「ん?」
ボソボソと言った黒川の声が聞こえなくて、俺は聞き返す。黒川はかああと頬を赤らめ、目をつぶってぶんぶんと大きく首を振った。

「あっ!ううん!!…とにかく、明日から少しずつ、頑張ろうね。都合が悪い日があったら遠慮なく教えてね」

「……?うん。頑張ろう」

俺たちは、今日のところは別れ、それぞれ帰途についた。
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