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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第10章 面接と候補者
「…ふー…」
「お疲れじゃないですか?お茶淹れましょうね」

サクナが出かけた後、スグリ姫とバンシルは、これから雇う人達の面接を始めました。
最初は使用人の面接、その後は料理人の面接でした。
使用人の面接の間に料理人候補が得意料理を作り、それを昼食代わりに試食してから面接をしたので、正式な昼食は今日は取っていません。
この後、侍女候補の面接をして最終面接は終了ですが、バンシルはその前に姫に休憩を勧めました。

「…一生懸命な人に一杯会うって、大変なのねえ…」
「これでもかなり絞ったんですけどね」
バンシルは姫の前に、どうぞ、とお茶のカップを置きました。

「そうだったわね、サクナとクロウさんとバンシルは、何日もこれをやってたのよね。大変なことを任せちゃって、ごめんなさい」
「いいえ。数は多かったですが時間は短かったので、それ程大変じゃあ無かったですよ。調理もしませんでしたし、そもそも三人共面接が苦手じゃなかったですしね」
三人は面接が苦手ではないどころか、かなり得意でありました。それぞれが人の心の裏側に手を突っ込んだり、引きずり出したり、突っついたりしながら、スグリ姫にこれをやれというのは無理な相談が過ぎるだろうと、三人三様に思っておりました。

「試食のご飯、どれも美味しかったわね!使用人候補の皆さんも、みんな感じ良かったし…順番とか、つけられないわ…」
ご飯を思い出して弾んだ声は、「誰かを選ぶ」という面接の本来の目的を思い出したことで、だんだん小さくなりました。

「大丈夫ですよ」
「へ?」
「姫様に候補者の雇いたい順とか、聞きませんから」
「それで、大丈夫なの?」
「大丈夫です。その為に私がご一緒してるんですよ」
「そう?…そうなの?」
「ええ。ですから、侍女候補の三人とも、気軽にお話なさって大丈夫ですよ」
「…ぅ…」
スグリ姫は、言葉に詰まりました。

使用人と料理人の面接は、苦手とは言え、まだ気楽でした。
人数が多かったこともありますし、もっと大きな理由は、比較する対象が居なかったからです。
侍女候補の面接は、少し意味が違います。
姫にとっては、子どもの頃からずっと、「侍女」と言えば、バンシルなのです。
侍女になる前も、バンシルは乳姉妹の幼馴染として、産まれた時から側に居ました。
そんなバンシルの後の侍女として、誰を選んだら良いと言うのでしょうか。
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