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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第10章 面接と候補者
「分かった。お前の後釜になる侍女だ、お前が良い様にしてくれ。あいつにとってもそれが良いだろ」
「有り難うございます。三人全員採用でも宜しいですか?」
「何人でも好きなだけ採れ。もっとも、何人採ってもお前の代わりにゃあ成らねぇだろうが」
サクナはそう言うと、不機嫌顔で眉を顰めました。
姫がバンシルに着いて来て欲しいと言えば済む事なのではと、サクナはずっと思っていました。しかし、大概のことには素直なのに時々やけに強情になるスグリ姫は、バンシルを着いて来させる事は絶対にしないという自分の考えを、誰に何を言われようとも、頑なに変えようとはしませんでした。

「大丈夫ですよ。新しい使用人候補はちゃんと教育しますし、あの三人は侍女として姫様に能く仕えてくれるでしょう。こちらに嫁いだ後も姫様にとって良い状況になる様に、出来る限りの準備を考えてますんで、心配はご無用ですよ」
「…そうか。色々有り難うな」
「御礼は結構です。貴方様の為じゃなくて、姫様の為ですから」
そう言うとバンシルは、サクナに一礼しました。

「立ち話で失礼致しました、私からの報告は以上です。言わずもがなでしょうけど、お部屋に籠もってるもうお一人の面接者様からのご報告も、聞いて差し上げて下さいな」
「ああ、言われるまでも無え…が、その前に別件で話が有る」
サクナは姫の元に行く前に、バンシルとクロウに向かっていくつか頼み事をし始めました。




「スグリ、入るぞ」
バンシルの報告を聞いた後やるべき事をいくつか片付けたので、サクナが姫の部屋に向かったのは、しばらく経った後でした。そして姫の部屋に行く前に自分の部屋でまたもや何やら用事を済ませました。それが終わってからやっと姫に声をかけながら、自分の部屋との間の扉を開けました。

「今日は面接ご苦労だっ…くっ!」
姫がベッドの上で例の如く小山を築いているのを見て、サクナは思わず吹き出しました。

「…なにっ?」
「いや…く…っ…」
「…なんで、笑ってるのよー…」
「悪ぃ…お前のせいじゃねぇ、こっちの事情だ…っ」
今日サクナは、ビスカスやローゼルと畑を見に行っていました。
ちょうどその時に、姫が布団に立て籠もっている様子に良く似たものを教えられ、なるほどそっくりかもしれないと、可笑しく思ったばかりだったのです。
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