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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第10章 面接と候補者
「安心しろ。面接は終わったから、明日はお前の仕事は無え。バンシルは使用人教育で忙しいが、俺は屋敷から出ずに溜まった書類を片付ける予定だ。だから、たとえお前が寝込んでも、仕事しながら面倒見てやるからな」
「っそれっ、あんっ…しんって、言うの!?…っていうかっ…あっ…した、あ…たし寝込むのっ!?…ちょっ…あん!ひゃあああ!」
こうしてスグリ姫はすっかり剥かれ、茹でられるべく風呂に運ばれて行きました。


しばらくの後。
「う…」
ぴちゃん、と言う水の音が時々するお湯の中で、姫はきゅっと身を縮めていました。

「どうした?」
身を縮めている姫とは逆に、サクナはのびのびと風呂を楽しんでいる様でした。
「結局、おふろ…」
「なんだ、嫌か?」
「…やじゃ、ない…」
サクナは前回の入浴で、肌と肌の間で波打つ湯が姫をくすぐったくさせるのだと分かったのだから、今日はそうならないようにすれば良いと言いました。
ということで現在二人の間は、ほとんどぺったり密着しています。
「嫌じゃ無ぇなら、良いだろ」
「う…」
サクナの太腿の上に横抱きにされた姫は、くすぐったくは無いものの、そわそわと落ち着かない気持ちで居ました。

「…とりあえず、口開けろ」
姫が口を開けると、橙色の小さな果実が口の中に放り込まれました。
「ん!」
「杏だ。美味いか?」
「美味し…甘くて酸っぱくて柔らかくって、すごく…んっ」
感想を全部言う前に、果実を口に入れたときに溢れて姫の白い首筋に描かれた透明な線を、サクナの舌が胸元からぺろりとなぞり上げました。
「うん、美味ぇな。舌触りも最高だ」
「…ゃ」
「もう夕飯食う暇無ぇな、別の物食うんで忙しい」
「ん…」
頬にちゅっと口づけられて言われた姫は、身を捩りました。
「ね…」
「ん?」
「…もいっこだけ、ちょうだい…」
「ああ。ほら」
「ん…んっ…」
スグリ姫は、杏を摘ままれた指ごと口に入れました。そしてそのままくちゅくちゅ口に含んでちゅっと吸い、杏をこくりと飲み込んだ後、指と指の間をぺろっと舐めました。

「…ん…おいし…あ、ん…」
「食い物でイタズラか?」
「っが…ちゃんと、食べてるっ…」
姫が膨れると、先程まで遊んでいた指が、胸を弄り始めました。
普通に触れられるのと違い、風呂の中で触れられるのは肌と掌の間に湯が有る為に、抵抗が少なく滑るような心地良さがありました。
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