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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第11章 休息と責任
(…のっ…覗いてみちゃおうかしらっ…!)
反射的にそう考えた姫は、慎みの欠片も無い事を考えてしまったと一旦反省しました。
しかし、扉に隙間が有れば、覗きたくなるのは人情です。
都合よく扉が開いてるのが悪いのよ、と姫は思い直しました。
部屋の中を自由に歩ける程にはなっていなさそうなものの、扉までならなんとか行けるかもしれません。
姫は立とうとしてみましたが、まだ少し足元が覚束無い様でした。そこで、座ったまま床にするっと滑り降り、ぺたぺた這ってなるべく静かに扉に近付きました。そして、扉の隙間から、こっそり向こうを覗いてみました。

(わあ!お仕事してる…!!)
床に座って隙間から覗くと、少し離れた机でサクナが仕事をしている様子が、やや見上げる角度で目に入りました。
(…くぅうううっ…!)
口を開けてしばらく見ていたスグリ姫は、我に返ると床に突っ伏して身悶えしました。
(お仕事中のサクナ…なんか、格好良い…っっ!…)
もう一度そーっと覗きましたが、真剣に何か考えながら、何やら書き込んでいる様子です。それが見たことの無いくらい凛々しく思えて、姫はまた一頻り悶えました。
仕事をしている様子は、姫と居る時のサクナの態度とは、大分違っています。
特にこちらに来てからのサクナは二人だと大抵顔が緩みっぱなしなので、いつもと違う雰囲気に感じてしまうのも、無理はありません。


「スグリ姫様?」
「はいっ!?」
床に座り込んで夢中になって覗いていた姫は、聞こえてきた囁き声に驚いて、こわごわ振り向きました。

「床に座り込んで居られるのは、あまり宜しい事では御座いませんね」
振り向くと、クロウが眉を顰め声を潜めて、姫の後ろに屈んで居りました。
「おっおっお行儀悪くてっ、すみません!…ついっ…」
「お行儀はともかく、床は冷とう御座います。お体に障りますよ?」
「す、すみませ…」
クロウは姫に手を差し出し、姫は立ち上がろうとしましたが、まだうまく行かなくてまた床にぺたんと座り込みました。
そんな姫を見て、クロウは長椅子の方を姫の近くに動かしてくれて、そこに上がって背もたれに寄りかかるのを、丁重に手伝ってくれました。
「お体が冷えられたでしょう。お茶でもいかがですかな?」
こちらにテーブルをご用意致しましょう、と言うとお辞儀をして、クロウは続きの間から出て行きました。
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