この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第11章 休息と責任
「雌獅子や女狐が手ぐすね引いて舌なめずりしてる巣に、あいつを一人で放り込めってか…」
茶会がまるで魔窟か何かであるかの様に言われて、ローゼルはむっとしました。

「念の為申し上げておきますけど、私も同席の予定ですわよ」
ローゼルに居丈高に言われて、今度はサクナがむっとしました。

「お前、スグリが茶会でえげつねぇ事されたとして、止められんのかよ」
「…可能性は、ゼロでは無いわ」
「…果てしなくゼロに近ぇでしょうがね…」
押さなくても良い太鼓判を押されたローゼルはビスカスを嫌な顔で見て、ビスカスは首をすくめました。

「じゃあ、お前んちの女ぎつ…奥方様が、わざわざ茶会を開いてまで呼び出した相手を、本当に茶だけ飲ませて帰すなんてことが有り得るのかよ」
「…可能性は…ゼロでは無いわ…」
「まあ、有り体に言ってゼロですね」
止せば良いのにビスカスがまた口を挟み、今度はギロリと睨まれました。

「…絶望的だな…」
「皆様方」
どんより曇った顔を突き合わせている三人を見ていたクロウは、咳払いして彼の意見を述べました。

「奥方様は別として、大奥様は厳しい方ですが、良識有る人格者でいらっしゃいます。長老会議で認められた嫁御様に、今更ご無体な事はなさらないでしょう…余程突拍子も無い事が起こらない限り」
「クロウ」
クロウが常識的な意見を言い終えた瞬間、サクナが口を開きました。

「何で御座いましょう、サクナ様」
「お前、スグリが茶会でうっかり嵌められて、突拍子も無ぇ事をしでかさねえと言い切る自信が有るか?」
「…失礼ながら、全く御座いません」
「…ですよね…」
「…でしょうね…」
スグリ姫の口癖は、「うっかり」です。
うっかりが口癖と言うことは、うっかり何かが起こってしまう前に、自分で気付いて止められることが少ない、という事でありました。
「…ほら見ろ…不安しか感じねぇだろうが…」
今度は全員がどんよりしましたが、ローゼルがその空気を破りました。

「それを何とかするために、先に知らせに参りましたのよ」
「そうか。そうだよな。理由も聞かずに怒鳴って悪かった、ローゼル。詫びと礼を言う」
「…いいえ。それで、どうなさいますの?」
殊勝な態度になったサクナにローゼルはそう尋ね、サクナは溜め息を吐いて自分が出て来た扉を眺めました。

「とりあえず、招待される本人に、説明しねえといけねぇな」
/235ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ