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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第12章 茶会と果実酒
…あの日。
姫が教わったばかりの「しもねた」を意気揚々と披露すると、ローゼルは顔を真っ赤に致しました。嬉しさや恥ずかしさではなく、何故か怒りで赤くなったのです。
しかも、何故かローゼルの怒りの対象は、「しもねた」を口にした姫ではなく、姫と一緒にローゼルに駆け寄ったビスカスでした。
ローゼルはビスカスに大層怒り狂い、和むどころかかなり剣呑かつ殺伐とした雰囲気になりました。
結局、ビスカスを引きずって去って行ったローゼルとは禄に話をすることが出来ず、ローゼルと仲良くなりたいと思っていた姫は、機会を逃してしょんぼりとサクナの所に戻りました。

サクナは何故か珍しく爆笑していて、何故か「お前は本当にそういう奴だよなあ」と姫を抱き寄せて、よしよしと頭を撫でました。けれど、何故ローゼルがビスカスに怒って、何故サクナが爆笑していて、何故姫が頭を撫でられているのかは、はっきりとは教えて貰えませんでした。
ビスカスには何故か後になって謝られ、これまた何故謝られるのかの説明は、濁されました。
そもそもローゼルに怒られていたビスカスが何故姫に謝るのかも、姫にはよく分かりませんでした。

結局、夜バンシルに話を聞いてもらって、「しもねた」は素人には難しいものなのかしらと溜め息を吐いて締めくくったのですが、全てを聞き終えたバンシルまでもが、何故か目を剥いてビスカスを罵りました。

姫には最後まで、どれもこれもが何故なのかが、さっぱり分かりませんでした。しかし、何故なのか聞ける人は、もうクロウくらいしか周りに残っておりません。さすがに忙しいクロウには尋ねにくかったので、姫はとりあえず一連の「何故」については、棚上げにすることに致しました。
いずれにしても「しもねた」を操るのは、姫では力不足だったのです。そう考えた姫は、「しもねた」への挑戦に関しては、当分封印することに決めました。

「…姫様に多少絆されたとは言え、ローゼル様は人を人とも思わぬ傍若無人な気性の持ち主です。姫様の味方をされると見せかけて、何か事が起こったらどういう対応をなさるかなど、分かったもんじゃありません」
「しもねた」の思い出に耽りながらバンシルの話を大人しく聞いていた姫は、ふとあることに気付いて、あれっ??と首を傾げました。

「…ねえ、バンシル?」
「何ですか?」
バンシルは姫の呼び掛けに、ぶんむくれた態度で答えました。
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