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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第12章 茶会と果実酒
「バンシルって、ローゼル様とお話したこと、そんなに何度もあったかしら?」
「…御座いません。」
「そう、そうよね?それなのに」
「ローゼル様はともかく!」
それなのにどうしてそんなに悪口を言えるくらいローゼル様に詳しく厳しいのかしらとスグリ姫は不思議に思ったのですが、そこまで口にしないうちに、バンシルが姫を遮りました。

「とにかく、今日姫様がお出掛けなさる場所は、呑気は禁物、うっかり厳禁な場所ですよね!?」
「えーと…ええ、そうだわね」
「呑気に虫刺されの話をしたり、うっかりドレスが汚れた話をしたら、見逃してくれる場所では無いんですよ!!」
「そう…そうよねっ!!」
姫は櫛を握って熱く語るバンシルを見てうっかり激しく頷いてしまい、そんなに頷くと御髪が崩れます!と叱られました。
「いいですか?今日は、しっかりして頂かないと。うっかりではなく、しっかりですよ」
「そうね!うっかりじゃなくて、しっかりね!」
姫はうっかり大きく頷きかけましたが、先程の注意をしっかり思い出し、頷きは最小限に抑えました。

「そうです。姫様は姫様なんですから、姫様らしくなさったら、ちゃんとしっかり見えますから。私が保証します」
「姫らしくね、分かったわ!…でも」
姫はそこで、先日ローゼルとビスカスが茶会のことを伝えに来た時の事を思い出しました。あの時、私の仕事だから!としっかり受け答えしてサクナの心配を解消しましたが、その直後にうっかりが発揮されて、姫の姫らしさは短時間で台無しになったのでした。

「私、しっかりが長持ちしにくいのよね…どうしたら、ずーっとしっかりしてられるかしら…」
姫の呟いた内容は、バンシルにも心当たりの有り過ぎる物でした。
「そうですね…姫様にできそうな対策として…空想上のお客様をお呼びしましょう」
「へ?」
「そういうの、お得意ですよね?」
「うん、まあ…」
スイカの木について考えたり、果物王子について考えたりした時の事を例に挙げる迄もなく、もともと姫は妄…想像力豊かな性質です。バンシルはそれを利用して、何か策を思いついた様でした。

「今日のお茶会には、王妃様が同席してらっしゃると思われたら宜しいですよ」
「ふぇええっ!?」

どんな空想上のお客様が来るのかしらと思っていた姫は、バンシルの提案したお客様が実在の人物、しかも自分の母である王妃だったことに、驚きました。
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