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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第12章 茶会と果実酒
「家柄がどうの、面子がこうのと言うのは、小さな事ですよ。継ぐ力と価値のある人間に継がせて、それを守れる人間を伴侶にする事を認める事が、家を栄えさせ続ける事になる。それこそが、この地にも、周りの人間にも、利をもたらす」
大奥様は、唇を噛んで怒りの表情で黙り込んでいる奥方様、真剣に聞いているローゼル、不安げな顔をしている若奥様、それからぼうっとしているように見えるスグリ姫を順番に見てから、また話し続けました。

「スグリ様はお聞き及びかどうか分からないけれど、長老会議でサクナは今迄に三度試された。家を継ぐ為に迎え入れられる価値のある人間かどうか、急逝した当主に代わって家業を継ぐ事が本当に出来る人間かどうか、そして三度目は、貴女を嫁に取ることを認めるかどうか」
「…はい」
大奥様に見詰められて、スグリ姫は頷きました。
前の二度についてははっきり聞いたことはありませんでしたが、自分を嫁に取る事の承認を家に関わる人々から受けたと言う事は、サクナから聞いていたからです。

「内容は全く違うけれど、結果的にはさっきの貴女と同じような事が有って、貴女を娶ることが認められました。つまり、家業に取って益のある相手だと言う事、逆に反対をすれば不利益が有るかもしれない事を認めざるを得ない事が誰の目にもはっきり分かったということね」
「同じようなこと…」

(同じようなこと?…じゃあ、にたものふうふ、っていうのは…似た、もの、ふ…)
同じような事で認められた、という大奥様の言葉の部分に反応して、反芻されていた「にたものふうふ」が姫の頭の中で理解できる形を取り始めました。

「嫁取りの承認は、もう済んだ事。それに、貴女は今後家業には関わる事は無い。だから私は、今更貴女を試す積もりは無かったのだけど…図らずも、試すことになってしまったわねえ。あの家に入る者として、相応しいかどうか」
(似た、もの、夫婦?…似たもの夫婦!?それってもしかしてもしかしたら、私達の…私とサクナの事、なのっ…!?)

「十二分以上だったわね。当主を支える人間としては、文句無しの合格ですよ」
大奥様の最大級のお褒めの言葉を遠くに聞きながら、スグリ姫はやっと腑に落とせた「似たもの夫婦」という言葉に、史上最大に身悶えしておりました。
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