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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第12章 茶会と果実酒
「スグリ様?」
「はい!ローゼル様!」
一同が別れの挨拶を交わし終えた後、ローゼルはスグリ姫に呼び掛け、姫はほろ酔いで赤い顔のまま、にこにこと機嫌良くローゼルに答えました。

「ローゼル様の方から、お話に誘って下さるなんて…すっごく、嬉しいですわ!!」
「…ええ、そうね…そうだったのですけれど」
「ふぇ?」
「……すぐりさまー……」
ローゼルの、奥歯に物が挟まったようなはっきりしない返事を聞いた姫の頭の中が疑問符で一杯になった時、別の方向から姫を呼ぶ小さな声が聞こえました。

「え?…あ!あー、ビスカスさん!!」
スグリ姫は、呼ばれた方向の物陰に小柄で陽気な下ネタの師匠を見つけ、嬉しくて堪らないという様な満面の笑顔になりました。
それを見たビスカスは、姫に釣られて思わず大いに相好を崩し、二人を見ていたローゼルは、本人も気付かぬ位僅かにピクリと片眉を上げました。

「お迎えに参りやした。サクナ様ぁ、俺の部屋に押し掛けて来てらっしゃいますんですよー」
「あら、どうもありがとう!サクナ、ビスカスさんの所にお邪魔してるの?ご迷惑お掛けしなかった?」
辺りを見回したあと物陰から出て来たビスカスは、姫とローゼルの側にやって来ました。そして言い付け口を叩く子どもの様にサクナの所在を姫にぶつくさ報告し、姫はいたずらをした子の母親の様に申し訳無さそうな顔になりました。

「…サクナ様が、ここにいらっしゃる?」
自分の存在を差し置いて妙に親しげに話している二人をもやっとした気持ちで眺めていたローゼルは、話の内容を耳にして、訝しげに呟きました。そして今度は、はっきり分かる程に柳眉を逆立てました。

「…しかも、お前の部屋にいらっしゃる、ですって?」
ローゼルは、思い切り疑っている目で、ビスカスを見ました。

「ビスカス。気は確か?」
「……へえ。確かも確か、これ以上無ぇくれぇ確かでさあ」
ビスカスにしてみれば、サクナに突然押し掛けられ、痛い所を突かれまくった上での、ローゼルのこの態度です。
茶会が行われている間、ローゼルが無関係とは言い切れない徒労感に翻弄されていたビスカスはムッとして、彼にしては珍しく突っけんどんに答えました。

「ローゼル様?サクナは確かに、私と一緒にこちらに来ていてよ?」
ビスカスとローゼルの会話を聞いていたスグリ姫は、口を開いて、ビスカスの言葉を裏付けました。
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