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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第12章 茶会と果実酒
「…そうですの?」
さすがのスグリ姫も二人の間に漂う不穏な空気を感じたのか、それとも全く無関係に言ったものか、それは、分かりませんでしたが。
スグリ姫の言葉は、頭に血が上りかけていたローゼルの耳にも、ちゃんと届いた様でした。

「ええ。私が一人でお茶会に出るのが心配だから、近くで待っていたいって、言ってくれて」
くふふふふ、と身悶えして笑う姫に呆れ顔になったローゼルは、ビスカスに向き直りました。

「スグリ様がおっしゃる事が、本当だとしても…どうしてサクナ様が、『お前の部屋』で、お待ちになってるの?いつも、お兄様のお部屋に行かれるんじゃないの?」
「あー。そりゃあ、行きにくいからですよ」
「何故?いつも行っているじゃないの」
「今日に限っては、色々有りやすからねー」
「今日に限っては、色々?どういう事?」
「どういうって、自分が寝取っ」
「…ねと?」
疲れ果てていたビスカスは、口に出してはいけない言葉を、ポロッと口から零してしまいました。

「…あああああああああああああ!!」

その様子をローゼルに胡散臭げにじいっと見られて、ビスカスは遂に、何もかも放り出したくなりました。

「あーあーあーあーあー、もう沢山だ!!面倒くせぇえええええええ!!!!」
「何ですって?!」

「とにかく!四の五の言う前に、一緒に来て下せえ!来て下さりゃあ、分かります!」
「四の五の…」
ローゼルはビスカスに突然今まで言われた事の無い有無を言わさぬ様な言葉を強い口調で言われて、目を白黒させました。
それを見たビスカスは、憤然とした態度から急に悲しげで情けない顔付きになり、ローゼルを上目遣いで見上げました。

「…今まで俺がお嬢様に、嘘吐いて騙したなんて事が、有りやすかい?」

有ります。
というか、この発言そのものが、嘘です。
ですが、ローゼルはその事に気が付いておりませんでしたし、普段面と向かってそうそう言われる事のない事を普段自分にこんな言い方はしない男に言われて気圧されて、疑い半分で頷きました。

「…分かったわ。ひとまず信用してみるわ」
それを聞いたビスカスは、ひとまずかよと小声で呟いてしまい、ローゼルに睨み付けられました…が、素知らぬ振りでスグリ姫に声をかけました。

「お待たせ致しやした。参りましょう、スグリ様」
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