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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第12章 茶会と果実酒
「…さて、と」
「きゃ」
二人が出て行くと、サクナは弄んでいた頬っぺたから手を離し、姫を膝に抱き上げました。抱き上げた拍子に一人掛けの椅子は少々軋みましたが、二人分の体重が掛かっても、ぐらぐらしたりはしませんでした。

「お前は…何を、どんだけ飲んだんだ?言ってみろ」
「だからー、飲んでないってばー…あれは、お味…んんっ…」
スグリ姫は反論の途中で、今度は両頬に手を添えられて唇を塞がれ、酒の名残りを残らず舌で浚われました。

「…ん…ぅ……」
「…甘ぇ酒だな。ありゃあ見た目より強ぇから、飲ませ無ぇ様にしてたってのに」
姫が思いのほか強い酒を飲んだらしい事にサクナは眉を顰め、口づけの後くてんと体を預けた姫は、むうっと唇を尖らせました。

「…あのねえ!お味見したのは、甘いお酒じゃなくってー、果物のお酒っ!」
「ああ、分かってる…そうだな、お前の言う通りだな」
よしよしと頭を撫でられ軽く口づけられて宥められ、素直で単純でちょっとお馬鹿な姫のご機嫌は、ころっと治りました。

「あのねー?何種類か、頂いたのよ?どれも、美味しかったけど…一本だけ、全っ然、違ったの!」
再びご機嫌になった姫はサクナの首に手を回し、床から離れている足をぶらぶらさせました。足が揺れると、嵌まっている足環がしゃらしゃらと音を立てます。スグリ姫はその音に気が付いて、ふふっと微笑みながら、しゃらんと足を振りました。

「…さくらんぼのお酒だけ、体じゅうですぐ分かるくらい、特別に美味しかったの…『柊屋敷』のお酒だって、飲んだ後で大奥様からお聞きしたわ。すごーーーく、嬉しかった」
「そうか。…お口に合って宜しゅうございましたね、姫」
ふざけ半分で手を取られて指輪に口づけられ、姫は照れ臭そうにえへへ、と笑いました。

「それでー、大奥様に、似たもの夫婦って、言って貰っちゃったっ!」
「…似た者夫婦?」
「あのね、お味見する前はー、どれがサ…うち、のかっ、教えてもらわなかったのね?」
「…ああ」
姫がわざわざ言い直してつっかえた内容の余りの可愛さに、サクナは思わず赤面して口元を緩めました。そして、緩んだ口元を誤魔化すように姫の首筋に顔を埋め、首飾りに口づけました。

「ん…たくさん、飲んだのよ?杏も、桃も、リンゴも…あと、何か…」
スグリ姫はうーんと唸って考えましたが思い出せず、途中で思い出すことを諦めました。
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