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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第1章 ヒイラギと姫君
「はいはい。早速のお惚気、ご馳走様でございます。…ところで、お帰り早々申し訳ありませんが、仕事でちょっとご相談したいことがあんですが」
「あ?帰った早々邪魔すんな」
「サクナ」
スグリ姫はサクナの後ろから覗いてやり取りを眺めていましたが、不機嫌そうに答えるのを聞いて、目の前にある袖をちょいちょい、と引きました。

「ん?なんだ?」
「ビスカスさんのお話、聞いて差し上げて?」
姫がそうお願いすると、不機嫌に不機嫌が上乗せされました。

「お前、そりゃ親切にも程があるぞ…こんな下ネタ野郎に、気ぃ使わなくて良いんだぞ?」
姫は、しもねた野郎ってなに?と思いましたが、それはあとで誰かに聞くことにして、サクナにきっぱり言いました。

「気なんか使ってないわ。ずっと不在にしてたんだもの、お仕事溜まってるんでしょう?私なら、大丈夫よ。お話終わるまで、大人しくこの辺を見てるわ」
「…とか言いやがって、どうせうっかりうろついて、迷子になんだろ?そりゃダメだ」
サクナは姫の方に向き直ると、こつんと優しくおでこを叩きました。

「もー!そんなこと無いってば!」
「宜しければ、わたくしがご案内致しましょうか?」
姫が膨れかけると、少し低めで聞き取りやすい、きりっとした声が聞こえてきました。
(うわぁ、声も美人っ…)
声の主は、先程ビスカスと一緒に現れた美女でした。

「ああ、そりゃ名案です。ご一緒なら姫君様は絶対迷子になんかなれねぇ」
「…だが」
「サクナ。大丈夫だってば。」
姫がサクナに向かって、私を甘やかし過ぎちゃダメよ、と膨れて見せると、ついにサクナは折れました。

「分かった。なるべく早く戻る。…気をつけんだぞ」
「ん、ありがと」
サクナは姫の髪に口づけた後、二人がじーっと自分たちを見詰めているのに気が付いて、慌てて姫から離れました。

「ローゼル。悪ぃがこいつが一通りの建物が分かるように、ざっと案内してやってくれると助かる」
「畏まりました」
「仕事中なのに、済まねぇな。宜しく頼む」
「造作も無い事で御座いますわ。行ってらっしゃいませ」

行くぞ、とビスカスと共に去って行くサクナに、姫は「お仕事がんばってね」と声に出さずに口だけ動かして手を振りました。
するとサクナは「良い子にしてろな」と声を出さずに口だけ動かして告げながら、微かに笑って手を小さく振り返してくれました。
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