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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第6章 敬語と命令
「私が敬語にするのね!それ、すごい良い考えね!!」
「試しに何か適当に敬語で言ってみろ」
「うん、分かった!…じゃなくて、『はい、分かりました!』」
姫はすぐに適当なことが思いつかなかったので、先程自分が言った事を敬語にしてみることにしました。
「えっと…『おかしなことをお願い致しました』?」
「ああ、そういう感じだな」
まずは先程言った中から「変な事頼んだ」という部分を敬語にしてみましたが、敬語自体は間違ってもいないようでしたし、特に問題なく、へりくだった感じになりました。
「こんな感じで良い?じゃあ、えーと、そのあとは」
姫は先程自分が言った事をぶつぶつ口にして思い出しながら、少しずつ区切って言いました。
「えっと…『恥ずかしいです』…」
「!」
「『許してください』…」
「!!」
「『サクナ様』」
「!!!」
「うーん、これはちょっと他人行儀ね…そうだ」
姫は固まっているサクナに気付かずに、自分が言った台詞の最後の部分を少し変えて、言い直しました。
「『恥ずかしいです…許してください、旦那様』?」
「!!!!!」
「あ、だめ?敬語どこかだめだった?」
サクナが先程の姫のように目を見開いて無言で固まっているのを見て、姫は何か失敗したかしら、と思いました。
「…いや…ダメじゃねえ…全っ然、ダメじゃねぇ…」
ダメどころか、姫の敬語はある意味大変宜しい物でした。
姫が以前サクナの敬語に悶えた事がありましたが、試してみると逆は逆で大層刺激的でした。
姫を言葉でかしずかせるという状況は、怒る為とは全く関係ない場面でも、非常に役に立ちそうでした。
「そう?敬語、だめじゃなかった?」
「ああ。全然ダメじゃねえ。すげぇ良かったぞ」
色々な意味で良かった、と思いながら、サクナは姫をよしよしと撫でました。
「ほんと!?良かったなら、良かったわ!!…でも、敬語って、急に使うと難しいわね。ちゃんと怒られられるように、時々練習しとかなきゃ」
姫の呟きを聞いたサクナは、難しい顔で言いました。
「…お前は知らねぇだろうが、この辺じゃあ、葡萄は割れねぇうちに摘めって言う諺がある」
「…葡萄?」
突然葡萄や諺が話に出て来て、姫はサクナと同じように、難しい顔になりました。
「試しに何か適当に敬語で言ってみろ」
「うん、分かった!…じゃなくて、『はい、分かりました!』」
姫はすぐに適当なことが思いつかなかったので、先程自分が言った事を敬語にしてみることにしました。
「えっと…『おかしなことをお願い致しました』?」
「ああ、そういう感じだな」
まずは先程言った中から「変な事頼んだ」という部分を敬語にしてみましたが、敬語自体は間違ってもいないようでしたし、特に問題なく、へりくだった感じになりました。
「こんな感じで良い?じゃあ、えーと、そのあとは」
姫は先程自分が言った事をぶつぶつ口にして思い出しながら、少しずつ区切って言いました。
「えっと…『恥ずかしいです』…」
「!」
「『許してください』…」
「!!」
「『サクナ様』」
「!!!」
「うーん、これはちょっと他人行儀ね…そうだ」
姫は固まっているサクナに気付かずに、自分が言った台詞の最後の部分を少し変えて、言い直しました。
「『恥ずかしいです…許してください、旦那様』?」
「!!!!!」
「あ、だめ?敬語どこかだめだった?」
サクナが先程の姫のように目を見開いて無言で固まっているのを見て、姫は何か失敗したかしら、と思いました。
「…いや…ダメじゃねえ…全っ然、ダメじゃねぇ…」
ダメどころか、姫の敬語はある意味大変宜しい物でした。
姫が以前サクナの敬語に悶えた事がありましたが、試してみると逆は逆で大層刺激的でした。
姫を言葉でかしずかせるという状況は、怒る為とは全く関係ない場面でも、非常に役に立ちそうでした。
「そう?敬語、だめじゃなかった?」
「ああ。全然ダメじゃねえ。すげぇ良かったぞ」
色々な意味で良かった、と思いながら、サクナは姫をよしよしと撫でました。
「ほんと!?良かったなら、良かったわ!!…でも、敬語って、急に使うと難しいわね。ちゃんと怒られられるように、時々練習しとかなきゃ」
姫の呟きを聞いたサクナは、難しい顔で言いました。
「…お前は知らねぇだろうが、この辺じゃあ、葡萄は割れねぇうちに摘めって言う諺がある」
「…葡萄?」
突然葡萄や諺が話に出て来て、姫はサクナと同じように、難しい顔になりました。