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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第6章 敬語と命令
「…これで、してください」
「え」
背中を向けてそう強請る姫を見て、サクナは驚きました。
「さわれないから、いたくしません…」
「だが」
姫は、抱かれる時に顔が見えないこの格好は、あまり好きではありませんでした。
なので今まで、数えるほどしかしたことがありません。

「ごめんなさい…ほんとは、いたいから、やめたほうがいいの、わかってるんですけど」
姫はそこで言葉を止めて、真っ赤な頬と涙目の顔で振り向きました。そして腰を持ち上げて足を開き、ひくひくしている奥の方を指でおずおずと開いて見せました。
「だんなさまを、ここに…いっぱい、いただきたいんです…ずっと、ここがむずむずしてっ…わがままで、ごめんなさ……ぁあんっ!」
姫の艶姿を前にしたサクナは、「待て」をされた犬のように涎を垂らしながら、姫の敬語の練習に辛抱強く付き合ってやっておりました。けれど、つっかえながら延々と続く無意味な姫の謝罪の途中で遂に堪忍袋の緒がブチ切れて、懇願する姫のご希望通り、自分をくれてやりました。

「っお前、馬鹿だろ?!止めた方が、良い訳、ねぇだろうが!」
「あん!あ!きゅう、に、おくぅ、っ」
サクナはうつ伏せで喘ぐ姫の体を探ると、果物のように実った乳房に触れました。自重でふるふる揺れるそれの先を指で挟みながら掴んで苛めると、姫はきゅうきゅう締めながら高い声を上げました。

「ひゃ!!」
「…クソっ」
「あ!やぁ!んっ、んっ、いっちゃ…ますうっ」
「ダメだ」
「え?え!」
達するなと命令された姫は、逆に無意識に一層サクナを締め付けました。

「っえ!あ、あ!」
「…まだイくな、スグリ」
「ん!ん、はい、でも、またぁっ…ん!」
姫は枕に顔を埋めて、大きくなってしまいそうな声を逃がしました。
「だんなさまぁっ…」
「なんだ」
「もっ…がまん、できません」
「待て」
「やぁ…きもちいぃですっ…よすぎっ…くるし…ですっ」
「我慢しろ」
「は…い…っ…う…ぅんっ」
だんだん力が抜けてきて枕に崩れそうになった姫は、瞼の奥がチカチカして、涙が滲んで参りました。

「あ…はっ、あ…うっ…ふ」
「…よし、イッて良いぞ」
一筋頬を伝った涙が枕にぽとりと落ちた瞬間、姫の耳に囁きが聞こえました。

「ふ、ぇ?」
「イイ子だな、イけ」
「…っ、あ」
言われた意味が一拍遅れて頭に届き、姫の目から涙がぽろぽろ零れました。
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