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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第7章 暇とお仕事
(私、そんなに役に立たないかしら…)
姫を持て余した姫はまた面接の事を思い出し、クッションに顔を埋めて溜め息を吐きました。

(…役に立たないわよね。面接は人を選ぶためにするんですもの、選べないなら面接する意味無いわ…)
サクナが先日バンシルに、人には向き不向きがあると言ったことがありました。姫はその場に居ませんでしたが、そういう意味では人を落とす面接は、姫に全く向かない仕事でした。

(あー…暇だと色々考えて、どんよりするのよね…なんかすること無いかしら…)
姫は以前落ち込んだ時に発見した「やることがないと人はどんよりする」という法則を思い出していました。
人によっては暇があれば有っただけ嬉しい方もいらっしゃるでしょう。しかし姫は、幸か不幸か、そういうタイプではありませんでした。

(…暇だ暇だって言ってないで、この暇をうまく乗り越えるっていうのも、婚礼の準備のひとつって言えるかもしれないわね…)
一生城の中しか知らずに過ごして、結婚してもその生活の延長が約束されているお相手を伴侶とするのであればともかく、姫は、そうではない未来を選んだのです。
春からはバンシルは居ませんし、サクナも冬が一番暇だと言っていたので、結婚後の生活では、今のように姫ばかりにかまけては居られないでしょう。
ということは、姫の今の暇は一時的なものではなく、春からの生活でも同じように暇になる可能性が高いのです。
今のうちに暇とうまく付き合える様になっておくのは、なかなかいい考えに思えました。

(なんかすること無いかしらって誰かに言ったって、みんな私を甘やかすだろうから、何もしなくていいって言われそうよね…。それに、なんかすること無いかしらって誰かに言うのも、結局誰かに甘えてるって事だし…誰かに何とかして貰うんじゃなくて、自分で、何か…)

「あ!そうだ!!」

あることを思い出した姫はクッションを放り投げて、まだ荷解きしていない荷物の一つに駆け寄りました。
「うふふー、持って来てよかった!」
荷物をごそごそ開いた姫は、奥の方に仕舞ってあった布袋を取り出しました。

(見つかっちゃだめなものだから、今やるっていうのは、ちょうど良い思い付きだわね)

姫は荷物が入った布袋を、傍らに置きました。
それから、今着ている服よりも少しくたびれた汚しても構わない様な普段着を取り出して、着替えました。
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