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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第7章 暇とお仕事
(ローゼル様に案内して頂いた時に、確か…あっちの方に)
辺りを見回して方向の検討をつけた姫は、慎重に歩き出しました。
闇雲に歩いて分からなくなり、迷子になったら自分も周りも困ります。
姫は目的の物を探して、遠くに目を凝らしながら歩いて行きました。
「あ、有った」
少し歩くと、目的の場所が見えてきました。
そこは畑の一角に作られた、あずまやでした。
作業や休憩に使うと思しきその場所には、木で組まれた簡単な屋根の下に、木製のテーブルと腰掛けが設えられていました。
ローゼルに案内して貰ったとき少し遠くからそれを見て、外で作業するのに良さそうな場所だわ、とこっそり思っていたのです。
姫は首尾よく目的地が見つかったことにうきうきしながら、あずまやに近付いて行きました。
あずまやが近くなると、先客が居るのが見えました。
それは、年を取った男性のようでした。
姫は立ち止まって、どうするか少し考えました。
ローゼルの説明では、この敷地の中に入るには門番が居て、簡単には入れないことになっていると言うことでした。
それに、男性の格好は、先日会ったビスカスとどことなく似ていました。
おそらく、作業着なのでしょう。
(この方もきっと、果物園で何かしらお仕事されてる方だわよね。お邪魔じゃなければ、テーブル半分お借りしよう)
姫は全く物怖じしないで、そちらに近付いて行きました。
「こんにちは!お仕事中、すみません」
「…何だ?」
休憩していたらしき男性は、訝しげに姫を見ました。
「ご迷惑じゃなければ、テーブル半分お借りして良いですか?木工の作業をしたいんですけど、木屑が散るから部屋の中だと難しくって」
姫はそう言うと使われていない丸太の椅子をどっこいしょと動かして、その上に荷物を置きました。
「…ほう!あんた力持ちだなあ!職人さんかい?俺ぁ休んでるだけだから、どんどん使ってくれ」
「ありがとうございます、助かります!お邪魔します」
姫は御礼を言うと、テーブルの上の隅っこに、木工道具を取り出しました。
その様子を眺めていた男性は、それらの道具に興味を惹かれたようでした。
辺りを見回して方向の検討をつけた姫は、慎重に歩き出しました。
闇雲に歩いて分からなくなり、迷子になったら自分も周りも困ります。
姫は目的の物を探して、遠くに目を凝らしながら歩いて行きました。
「あ、有った」
少し歩くと、目的の場所が見えてきました。
そこは畑の一角に作られた、あずまやでした。
作業や休憩に使うと思しきその場所には、木で組まれた簡単な屋根の下に、木製のテーブルと腰掛けが設えられていました。
ローゼルに案内して貰ったとき少し遠くからそれを見て、外で作業するのに良さそうな場所だわ、とこっそり思っていたのです。
姫は首尾よく目的地が見つかったことにうきうきしながら、あずまやに近付いて行きました。
あずまやが近くなると、先客が居るのが見えました。
それは、年を取った男性のようでした。
姫は立ち止まって、どうするか少し考えました。
ローゼルの説明では、この敷地の中に入るには門番が居て、簡単には入れないことになっていると言うことでした。
それに、男性の格好は、先日会ったビスカスとどことなく似ていました。
おそらく、作業着なのでしょう。
(この方もきっと、果物園で何かしらお仕事されてる方だわよね。お邪魔じゃなければ、テーブル半分お借りしよう)
姫は全く物怖じしないで、そちらに近付いて行きました。
「こんにちは!お仕事中、すみません」
「…何だ?」
休憩していたらしき男性は、訝しげに姫を見ました。
「ご迷惑じゃなければ、テーブル半分お借りして良いですか?木工の作業をしたいんですけど、木屑が散るから部屋の中だと難しくって」
姫はそう言うと使われていない丸太の椅子をどっこいしょと動かして、その上に荷物を置きました。
「…ほう!あんた力持ちだなあ!職人さんかい?俺ぁ休んでるだけだから、どんどん使ってくれ」
「ありがとうございます、助かります!お邪魔します」
姫は御礼を言うと、テーブルの上の隅っこに、木工道具を取り出しました。
その様子を眺めていた男性は、それらの道具に興味を惹かれたようでした。