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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第7章 暇とお仕事
「俺ぁアダンって言うんだ。毎日こんくらいの時間はこの辺に居るから、また会うかも知れねぇな。テーブル使っちまってたら、遠慮しねぇで声掛けてくれ。じゃあまたな」
「こちらこそ!テーブル貸してくださって、ありがとうございました!」
お礼を言ってぴょこんとお辞儀すると、アダンは手を振って去っていきました。
姫はアダンをしばらく見送っていましたが、せっかく道具を出したので、作業を進めることにしました。
仕上げが途中になっていた木工の続きをやりながら、アダンさんにまた会ってお話が聞けるといいな、と姫は思いました。


「姫様。今日、どこほっつき歩いてたんですか」
「へっ?!」
夕飯の前にバンシルに聞かれたスグリ姫は、びくっ!を通り越して、びくうぅっ!となりました。

「ほっ…つき歩いては、居ないわよ…?」
「無理です、誤魔化せてません。怪しすぎです」
「誤魔化してないわよぅ…」
バンシルには隠せなかったか、と思って、姫はしぶしぶ白状しました。

「暇だし、お昼寝も出来なかったから、外で木工してたの。ちゃんと迷子にならないようにしたわよ?早く帰って来たし、外に出ることはクロウさんにも言って出たし」
「そう言うことでしたか。分かりました」
それなら問題はないか、とバンシルは思いました。

「バンシル、どうして外に出たって分かったの?」
帰ってきてから道具を片付け、元の服に着替えもしたので、見た目で分かることはないだろうと姫は思っていたのです。
不思議がる姫の髪から、バンシルはひょいと枯れ葉を摘み取りました。

「外に出た証拠が付いて来てますよ。当主様に秘密にしたいなら、お気を付けになることですね」
「ありがと、気付かなかったわ!…あら?サクナに秘密にしたいって、どうして分かったの?」
「一人で外を歩くなって言われてたでしょう?それに、木工ってあれですよね、城でやってた…あれ、秘密で作ってるんでしたよね?」
「うう…どっちも、その通りです…」
スグリ姫は、バンシルは何でもお見通しみたいだわ、と思いました。

「黙ってて差し上げますよ。でも、あと三日くらいで全員の面接が終わりますからね。そのあとはなかなかお一人で作業は出来ないと思いますよ」
「全員の面接したら、最終面接だから?」
最終面接は、姫も同席するように言われておりました。
だから暇じゃ無くなるのかしら、と姫は思ったのです。
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