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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第8章 木柵とリンゴ
アダンと作業中にお喋りしていて、サクナの事も何度か話題になりました。どの話の語り口も「若旦那様」に好意的だったので、姫はくすぐったく嬉しく聞いていたのです。

「俺が最初にそれを教わったなぁ旦那様からだが、そういうとこぁそっくりに成られたなあ。ここにゃあ修行に来てる奴も大勢居るだろ?最初は面倒くさいだの細かいことを言う鬼の様な方だのと言ってるが、使う前に慌てて手入れするよりも、確かに使ったらすぐ手入れしとく方が使いやすいんでな。そのうち皆新人に向かって、同じように口喧しく言うようになるな…そうやって厳しく躾けられた方が、後々良い職人になる。ここで働く奴等は、運が良いやな」
「うふふっ」
ここ数日アダンの話を聞いていて、スグリ姫には、サクナと先代当主は血は繋がっていなくても仲の良い似た者親子だったのだと言うことが分かってきていました。
義理の親子であり、師弟でもあった二人の話をこうして聞く機会を得たことは、姫にとって、とても幸せなことでした。


「うめぇもんだなあ!」
「そう?ありがとう!」
姫の提案した様に柵を直すのを一緒に試してみて、アダンは姫の作業の手際が良いのに驚きました。
スグリ姫は、分からないことは聞いてきて、姫が知っていることで必要なことはやってみせて、二人ともどうしたらいいか悩んだ所は相談しながら試行錯誤する…というような、役割分担が上手でした。
そうして作業をしていて褒められた姫は、習ったことが思った以上に役に立ったとにんまりしました。
木組みをするという意味では同じでしたが、柵を加工するというのは、細かい小物よりはるかに単純で大雑把な仕事だったのです。

「こりゃあ具合が良さそうだな!」
「ほんと?!」
「ああ。これで修理の回数が減るかもしれねぇ」
「逆に、面倒じゃない?」
「手間が多少増えたって、修理が少なくて済む方が有難ぇよ。ありがとな、嬢ちゃん」
「ううん!お役に立てて嬉しいわ!せっかくだから、反対側もやっちゃいましょ」
二人は試してみたことが上手く行ったことを喜びながら、残りの柵の修理をしました。
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