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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第8章 木柵とリンゴ
「これを割ってみるか?」
「どうやるの?」
「軸を取って、縦に持ってみろ」
姫がリンゴを手に持つと、サクナは齧りかけのリンゴを木の枝が又になっている所に乗せて、姫を後ろから抱き込むようにして、リンゴを持った姫の手の上から手を当てました。
「こうやって真ん中あたりに一番力がかかるように、左右の手を逆に動かしてみろ」
「えいっ!…あれ?」
言われた通りにしましたが、リンゴはびくともしませんでした。

「…やっぱり、難しいみたい…」
「ちょっと代われ」
「ん」
手の重なりの上下を入れ替えてサクナがリンゴを持って姫が手を重ねると、割って見せてくれました。
「分かったか?」
「…なんとなく?」
サクナは割ったリンゴと齧りかけのリンゴを手に持って、もうひとつ別のリンゴを指差しました。

「あのリンゴも捥いで、もう一度やってみろ」
「…いいの?」
「ああ」
「よーしっ…あ!!」
言われた通りリンゴをもう一つ取って軸を取り、サクナがやっていたのを思い出しながらえいっと力を入れると、今度は二つに割れました。

「出来た!出来たわ!」
「ああ、上手く出来たな。そいつを半分こっちに寄越して、残った方を食ってみろ」
「え?…はい」
言われた通り半分をサクナに渡して、手の中に残ったリンゴを齧りました。
「…ん?」
「今度はこっちを食ってみろ」

姫はサクナから二番目に捥いだリンゴを渡されて持っていたリンゴと交換し、一口齧りました。
「…あれ…?」
変な顔をしている姫を見て、サクナはにやっと笑いました。
「どうだ。美味かったか?」
「…うーん…?」
「美味く無ぇだろ」
「え?美味しくなくて、良いの?!」
「もういっぺん、これを食え」
サクナは姫の持っているリンゴを取り上げて自分が一口齧った最初のリンゴを姫に渡し、姫はそれを食べました。

「…違う!美味しいわ!」
「ああ。この中じゃこれが一番美味い。二個目は熟し過ぎで、三個目はこの木の中じゃあ日当たりが悪いとこになってたから、熟し具合は丁度良いが少し甘さが足り無ぇ」
それ全部食っちまえ、と姫に促しながら、サクナは自分は二個目と三個目のリンゴを食べ始めました。
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