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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第1章 ヒイラギと姫君
「…あ…バンシル」

バンシルが、先程別れた表門の方からではなく、屋敷の方から現れました。

「お待たせしました、荷物全部運んどきましたよ」
「どうもありがとう…大変だったでしょ」
「いえ。ここ、門が二つあるんですねえ。最初お二人が入って行った門を見て荷物を手持ちで運ぶのかと思ったら、ちゃんとお屋敷に近い所まで入れる門に回してくれましたよ」
バンシルは姫の横にいる美女に気がついては居ましたが、美女がなんとなく高慢な態度だったため、声をかけるのを後回しにしました。

「…それで、家令様が、長旅でお疲れでしょうから居間でお茶でもいかがですか、っておっしゃったんで、お迎えに来たんですよ。…サクナ様はどうなさったんです?」
バンシルはサクナが周りに居ないことを見て取ると、眉を顰めて姫に聞きました。
賢いバンシルは、姫が見知らぬ女性と一緒にいるのを見て、姫の呼び方だけで無く、サクナに対するいつもの呼び捨てもさらりと変えました。
スグリ姫が今後関わると思われる人物の前では、嫁入り後に使われるであろう名称に今から変えて置く方が良いだろう、と考えたからです。

「サクナは、お仕事で御用事があるって呼ばれて」
「そっちに行かれたんですか?」
バンシルは、あの果物馬鹿は姫様ほっぽらかして何してるんだと、心の中で舌打ちしました。

「ええ。最初、私が迷子になるから行かないって断ってたんだけど、ご当主なのに、そんなのだめでしょ?ずっと不在にしてたんですもの、お仕事しなきゃ皆さんお困りになるわ。だから私からも、お仕事に行って!って、お願いしたの」
「あー……それじゃ、仕方ないですね」

果物馬鹿じゃなくて姫のお願いに負けた姫馬鹿の結果だったか、とバンシルは納得して、姫を置いて行ってしまったサクナを、許してやることに致しました。
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