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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第10章 面接と候補者
「姫様。明日ですけど、宜しいですね?最終面接」
「ええ。大丈夫よ?明日も別に何もないし」
寝支度をした姫は寝台に行儀悪く寝転んで、幼馴染の侍女の言葉に呑気に答えました。
今は隣室との間の扉は閉まっていて、部屋にはバンシルと姫しか居りません。
「明日『も』?…何も無くは無いですよね、毎日毎日」
そう言うとバンシルは、閉まった扉と姫を順番にじろっと睨みました。
一次面接の最終日、面接を終えたサクナは姫が部屋に居ないことに気付き、外に迎えに行きました。
迎えにいく前に自分だけが姫の外出を知らなかった事をクロウとバンシルに当て擦りましたが、二人とも右から左に受け流したので、全く堪えませんでした。
堪えたのは、その後です。
戻って来た姫とサクナは何故か夕食抜きで休む事になり、最終面接の日程の打ち合わせが出来ませんでした。
そこまではよく有る事ですし、予想できなくも有りませんでした。
しかし、その後が予想を越えていました。
姫はその次の日丸一日、寝台から出られなかったのです。
バンシルはまた性懲りも無く御当主様が度を越してヤりすぎなさりやがったのかと思いましたが、どうやらそうではない様でした。
「起きられなくなったり、寝込んだり…もう忘れたんですか」
「へ?…ああ…あー、そうね、そうだったわね」
その日寝込んだ理由は姫によると「筋肉痛」という事でした。
そしてその「筋肉痛」の理由は、「笑うのを必死に我慢したんだけど堪え切れずに笑いまくった」という、何が起こったのか全く理解に苦しむ物でした。
確かに姫は「くすくす姫」と言われていた頃に何度かそうなったことが有りました。
けれど、その特異体質…もとい、呪いは解けた筈です。
呪いも無いのに、しかも今まであれだけヤりまくって何とも無かったのに、今更何をしたら筋肉痛になるほどくすぐったくなれるんだろう、とバンシルの眉は不審さでくっつきそうになるくらい顰められました。
「ごめんなさい、もう寝込まないようにするわ…なるべく…多分…」
スグリ姫はそう言って頬を染めました。
くすぐったくて筋肉痛になるくらい笑いを堪えるという現象のどこに赤くなる要素があるのか、さっぱり分かりません。
何が有ったかは姫もサクナも言いませんし、バンシルとて聞きたくも有りません。
が、この忘れっぽい姫には良く言って置いた方が良いと、バンシルは口を開きました。
「ええ。大丈夫よ?明日も別に何もないし」
寝支度をした姫は寝台に行儀悪く寝転んで、幼馴染の侍女の言葉に呑気に答えました。
今は隣室との間の扉は閉まっていて、部屋にはバンシルと姫しか居りません。
「明日『も』?…何も無くは無いですよね、毎日毎日」
そう言うとバンシルは、閉まった扉と姫を順番にじろっと睨みました。
一次面接の最終日、面接を終えたサクナは姫が部屋に居ないことに気付き、外に迎えに行きました。
迎えにいく前に自分だけが姫の外出を知らなかった事をクロウとバンシルに当て擦りましたが、二人とも右から左に受け流したので、全く堪えませんでした。
堪えたのは、その後です。
戻って来た姫とサクナは何故か夕食抜きで休む事になり、最終面接の日程の打ち合わせが出来ませんでした。
そこまではよく有る事ですし、予想できなくも有りませんでした。
しかし、その後が予想を越えていました。
姫はその次の日丸一日、寝台から出られなかったのです。
バンシルはまた性懲りも無く御当主様が度を越してヤりすぎなさりやがったのかと思いましたが、どうやらそうではない様でした。
「起きられなくなったり、寝込んだり…もう忘れたんですか」
「へ?…ああ…あー、そうね、そうだったわね」
その日寝込んだ理由は姫によると「筋肉痛」という事でした。
そしてその「筋肉痛」の理由は、「笑うのを必死に我慢したんだけど堪え切れずに笑いまくった」という、何が起こったのか全く理解に苦しむ物でした。
確かに姫は「くすくす姫」と言われていた頃に何度かそうなったことが有りました。
けれど、その特異体質…もとい、呪いは解けた筈です。
呪いも無いのに、しかも今まであれだけヤりまくって何とも無かったのに、今更何をしたら筋肉痛になるほどくすぐったくなれるんだろう、とバンシルの眉は不審さでくっつきそうになるくらい顰められました。
「ごめんなさい、もう寝込まないようにするわ…なるべく…多分…」
スグリ姫はそう言って頬を染めました。
くすぐったくて筋肉痛になるくらい笑いを堪えるという現象のどこに赤くなる要素があるのか、さっぱり分かりません。
何が有ったかは姫もサクナも言いませんし、バンシルとて聞きたくも有りません。
が、この忘れっぽい姫には良く言って置いた方が良いと、バンシルは口を開きました。