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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第10章 面接と候補者
「良いですか、姫様。明日の最終面接、延期になんかならないように、今夜は心して過ごして下さいね?」
「う」
「今後の使用人教育の事を考えたら、決まるのは早ければ早い程良かったんですよ?」
「うう」
「なのに、御当主様は『スグリは寝かせといてやってくれ』って言うだけ言ってそそくさと仕事に行ける位お元気なのに、姫様は起きられないって…何ですか、それ?」
「ううう…ごめんなさいっ…」
「とりあえず、明後日まで!くすぐったいは、厳禁にしてください!」
バンシルは、悶えるあまり寝台の上で丸まって小山を作り始めた姫に、畳み掛けました。

「わっ、分かりましたっ…」
「御当主様にも釘刺しときますけど、くれぐれも、くれぐれも!流されないでくださいね!」
「だ、大丈夫よ…だって、昨日は大丈夫だったもの」
姫の言葉を聞いたバンシルは、昨日は単に筋肉痛のせいで控えられたのではないか、と思いました。姫が演技派なら「筋肉痛の振りでもして下さい」と言えば今夜も無事に終わるでしょうが、単純で素直でちょっとお馬鹿なこの姫にそんな事を言っても却って裏目に出るだけだと、バンシルには分かり過ぎる程分かっておりました。

「それか、今日は、何もしないことにするわ!何なら扉も開けないわ!!」
姫は力強く言い切り、それを聞いたバンシルは溜め息を吐きました。姫にそんな事が出来る訳も無ければ、まだ隣室に戻って居ない姫馬鹿当主がそんな事を許す筈も有りません。

「別に、ナニをなさっても構いませんよ?仲が良いってのは良い事ですし」
扉が壊れても困りますし、とバンシルは心の中で付け足しました。
「ただ、何事にも限度ってものがありますよね?節度を守って、ご自身の限界を、よーく考えて今宵をお過ごしになって下さいね」
バンシルの迫力に怯え、小山は縮こまりました。

「…うんっ、考えるっ」
「明日は多くは望みません。姫様は、居るだけで良いんです。椅子に座れさえすれば良いんです」
「…分かったわ…」
スグリ姫は、ひどい言われ方をされている気がしましたが、反論できない前科が山積みだったので、小山の中で頷きました。

「では、お休みなさい。少しは寝て下さいね、面接で居眠りしない程度で良いんで」
そうしてバンシルはお辞儀をすると、姫の部屋を出て行きました。
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