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愛の調教バトル
第5章 初調教前夜・男の回想2

かくして、玲子と私の新婚生活が始まった。
かといって、二人の暮らしぶりに、そう変化はなかった。
相変わらず家事は玲子が担当し、そのほかの諸々は私が対応した。
部屋も元の通り別々のままで、お互いそれに何の疑問も抱かなかった。
代わったのは、朝晩必ずそのほか随時、抱き合ってキスを交わすようになったのと、
お互いの呼び方が、「玲子ちゃん」から「玲子」に変わり、
「お兄ちゃん」から「あなた様」に変わったことと、
玲子が私に、ですます調の敬語で話すようになったことだ。
今さら敬語を使われると、よそよそしくて親しみがなくなるからやめろといったが、
玲子は気に入っている「あなた様」という呼び方に会うのは敬語だと譲らず、
私は根負けして諦めた。
そんな甘い新婚生活に、ちょっとした事件が持ち上がった。
その日、図書館勤めで休日が土日でない玲子は、仕事が休みで家に居た。
私は平日なのでいつも通りに出勤し、いつも通りに帰宅した。
すると私の帰りを待ちかねていた様子の玲子が、
納戸代わり部屋に置いてある翔子の遺品を整理していたら、
机の奥に隠し引出しがあり、中からこんなものが出てきたと、私に見せた。
それを見て、私はギクッとした。
なんとそれは、翔子に与えた奴隷の首輪と、何冊ものノートだった。
翔子と私がSMをしていたことは、もちろん私たちだけの秘密にしていた。
それを偶然、玲子が知ってしまった。
しかも、言い逃れをしようのない物的証拠を見つけて・・・。
大変なショックを受けた玲子が、泣きわめくに違いないと、私は覚悟した。
「これ、あなた様とお姉ちゃんの愛の印なのですね。
あたし、このノートを読んでそれがわかって、感激してしまいました」
玲子は、顔を輝かせて、そういった
「いや・・・それは・・・その・・・」
説明に窮して言いよどむ私に構わず、玲子は話をつづけた。
「お姉ちゃん、あなた様に縛ってもらえたことで、
最高の幸せを手に入れることができたんですね。
このノートを読んで、それがよく分かりました。
お姉ちゃんは天国に旅立ってしまったけど、
今またあたしがあなた様に幸せにしてもらっているのを見て、
きっと喜んでくれています」

