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第2章 初調教前夜・少女

　ほどなく、ご主人様からお返事が来た。

「なるほど、これでご両親のSMが愛に基づくSMだったと信じられるよね。
　世間一般ではSMは、虐め虐められることを悦ぶということばかりが強調されがちで、変態だの異常性欲だのと偏見で見られてしまうことが多いが、そうではなくSのMへの愛とMのSへの愛がに共鳴し合いお互いに他の方法では得られない共感を感じ合うことだってあると、私は思う。ご両親のSMはきっとそういう方向のものだったと思う。それは麗さんと接していればわかる。そうでなかったら、こんなにも素晴らしい人間性を持った素敵な娘さんが育つはずがない。私には子育ての経験はないけれども、社会人として齢相応の経験と見識を一応もち、SとしてSMの世界にも足踏み入れている人間として、自信をもってそういえる」
お返事には、こう書かれていた。


　それを読んで私は、感激のあまり、胸が張り裂けそうになった。

　こんなにも私の両親を想ってくださる！

　こんなにも私のことを想ってくださる！

　そんなにも素晴らしいSMの世界ががあることを保証してくださる。


　だったら、だったら、

　私、私、

　パパとママとの絆を取り戻したことをはっきり確かめるために・・・

　私のSM観の転換をさらに発展させるために

　この方の奴隷になりたい！

　そして一緒に、その素晴らしいSMを追求したい。

　私は、心の底からそう思った。

　私の心の中でのSM観のコペルニクス的転換は、このときこうして起こった。