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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第15章 約束は、守るものです
 用意が終わり、打ち合わせが終わり。
 遂に、婚約式が始まった。
 
 婚約式の出席者は、身内だけだ。
 大奥様、旦那様、奥方様、タンム様、そして俺。
 若旦那様と若奥様は、静養中という名目の謹慎中なんで欠席。
 俺が出席者に入ってんなぁ、身内だからじゃなく、踊りの為だな。元々歌ぁ頼まれて、今や踊りと歌の両方でさぁね。身内っつーか、芸人枠だね。やっぱ今後の仕事は芸人かねー。用心棒とかやるよりゃあ平和に暮らせそうですぜw

 余計な事考えてたら、会場の扉が開いた。
 お嬢様が、現れた。
 ……もとい。
 お嬢様と御従兄弟坊ちゃん様が、現れた。
 似合いのお二人だねー。申し分ねーよ。今の若旦那様からお嬢様に後継が移ったら、お二人が若奥様と若旦那様だからねー。立派なもんだ。
 ま、俺ぁ今日でここたぁおさらばだから、坊ちゃん様の事を若旦那様たぁ、呼ばねーでも良いんだけどね。ほんのちょっとだけ、有り難ぇやねw

 お嬢様は、今日も文句なくお綺麗だ。言うまでもねーよな。
 ……しかし。
 ものすげぇ大事な日だってのに、何故か、鮮やかな青のドレスをお召しになっている。良く晴れた夏の空みてーな色だ。

 ……もしもし?お嬢様?そこは、オレンジをお召しになるとこじゃ、ねーんですかい?

 惜しい。実に惜しい。ご婚約ともなると、気分が変わるもんなのかねー?ま、こいつも似合うから、良いっちゃ良いんだが……なんで俺が最後に見んのが、オレンジじゃねーんだろうね。
 やっぱ今日は、ツイてねーわw


 婚約式は、滞り無く進んだ。
 身内しか居ねぇ席だし、宴席も無え。
 お二人が一人一人に挨拶をして、出席者がそれを受ける。
 お二人がお互いへの誓いの言葉を読み上げる。
 婚約に異議の有るものは申し出ろと言われる。
 ……まあ、型通りの内容だ。

 大奥様とリアン様の顔合わせも兼ねてるし、奥方様も今までそんなに話しては居ねぇから、その辺で多少時間はかからぁね。
 で、最後に踊ってお仕舞いだ。宴席が有る会の時ゃあ、この後宴席が設けられる。サクナ様ん時なんかはそうだったな。今回はそれは無ぇから、踊りで終わる。
 昔ゃあ、祭りで盛り上がったまんま踊りに雪崩れ込んで男と女が駆け引きして、お互い合意したらどっかしけ込んでまぐわうって寸法だったらしいからねー。
 踊りが最後なのぁ、伝統だな。
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