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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第15章 約束は、守るものです
「たっ……頼むってなぁそういう意味じゃ」
「リアンに仰ってた事を、聞いて無かったの?」
「へっ」
お嬢様ぁ、そこでやっと手を離して下すった。しかし、その手で今度ぁ俺の両方の頬っぺたを包まれたんで、離れられねー事にゃあ変わりは無い。
「二人で踊って、肉体的に結ばれる事が出来る相手かどうかを確かめるって、仰ったじゃない」
「そりゃ、一般論じゃ」
お嬢様の指と掌ぁ、ちびっとだけひんやりして、柔らかくって、良い匂いがしやがるねー……抱き付かれてたさっきまでと違って、振り解こうとすりゃ出来なかねーんだが、振り解きたく有りやせんw
「私達、踊ったわよね?」
「ぐ」
「その後で、お前に私を部屋に連れて行くように、仰ったのよね?」
「げ」
「そういう意味じゃないのなら、お兄様だって良い筈じゃない」
「うっ」
「それで、私をよろしく頼む、って……そういう意味以外、無いじゃないの」
「ううっ」
畳み掛ける様な問い詰め方、きゅっと頬っぺたを挟まれる痛み、眉を顰めて膨れてる表情。
もう二度と無ぇって思ってたのに、またこうやってお嬢様に責められる事が出来る幸福……ゾクゾクすらぁね。
と、急にお嬢様が手を離し、視線を外された。
「…………冗談よ。」
「……お嬢様?」
「そんなの無理だって、分かってるわよ。言ってみただけ」
「へ?」
「お前には、『惚れてる女』が、居るんだものね」
「あ」
……あー…………それ……それな……。
何て答えようか考えてたら、お嬢様の目に見る見る内に涙が湧いてきた。
「……部屋まで送ってくれて、有り難う」
「へ」
「さよなら。元気でね。次の人の婚約式には呼ばないから、安心して」
お嬢様ぁぷいっと向こうを向いて、布団を被っちまった。
……拗ねるお嬢様。
お嬢様が安心して拗ねられんなぁ、俺にだけなんだよな。
で、俺ぁお嬢様が膨れたり拗ねたりなさるのをまた見れて、こんなに喜んでんじゃ無ぇのかよ。
『お前さえ折れて負けときゃ良い話なんじゃ無ぇのか?』
サクナ様。そうでした。負けときゃ、それで良いんですよね。
『自分の事は、誰にとっても、見え難い物で御座います』
クロウ。お堅てぇ奴の言う事ぁ、聞いといた方が良い時も有んだぁねー。
『嘘吐き』
……お嬢様。その通りでした。
俺ぁ一番大事な御方に、知らねーうちに、嘘吐いてやした。
「リアンに仰ってた事を、聞いて無かったの?」
「へっ」
お嬢様ぁ、そこでやっと手を離して下すった。しかし、その手で今度ぁ俺の両方の頬っぺたを包まれたんで、離れられねー事にゃあ変わりは無い。
「二人で踊って、肉体的に結ばれる事が出来る相手かどうかを確かめるって、仰ったじゃない」
「そりゃ、一般論じゃ」
お嬢様の指と掌ぁ、ちびっとだけひんやりして、柔らかくって、良い匂いがしやがるねー……抱き付かれてたさっきまでと違って、振り解こうとすりゃ出来なかねーんだが、振り解きたく有りやせんw
「私達、踊ったわよね?」
「ぐ」
「その後で、お前に私を部屋に連れて行くように、仰ったのよね?」
「げ」
「そういう意味じゃないのなら、お兄様だって良い筈じゃない」
「うっ」
「それで、私をよろしく頼む、って……そういう意味以外、無いじゃないの」
「ううっ」
畳み掛ける様な問い詰め方、きゅっと頬っぺたを挟まれる痛み、眉を顰めて膨れてる表情。
もう二度と無ぇって思ってたのに、またこうやってお嬢様に責められる事が出来る幸福……ゾクゾクすらぁね。
と、急にお嬢様が手を離し、視線を外された。
「…………冗談よ。」
「……お嬢様?」
「そんなの無理だって、分かってるわよ。言ってみただけ」
「へ?」
「お前には、『惚れてる女』が、居るんだものね」
「あ」
……あー…………それ……それな……。
何て答えようか考えてたら、お嬢様の目に見る見る内に涙が湧いてきた。
「……部屋まで送ってくれて、有り難う」
「へ」
「さよなら。元気でね。次の人の婚約式には呼ばないから、安心して」
お嬢様ぁぷいっと向こうを向いて、布団を被っちまった。
……拗ねるお嬢様。
お嬢様が安心して拗ねられんなぁ、俺にだけなんだよな。
で、俺ぁお嬢様が膨れたり拗ねたりなさるのをまた見れて、こんなに喜んでんじゃ無ぇのかよ。
『お前さえ折れて負けときゃ良い話なんじゃ無ぇのか?』
サクナ様。そうでした。負けときゃ、それで良いんですよね。
『自分の事は、誰にとっても、見え難い物で御座います』
クロウ。お堅てぇ奴の言う事ぁ、聞いといた方が良い時も有んだぁねー。
『嘘吐き』
……お嬢様。その通りでした。
俺ぁ一番大事な御方に、知らねーうちに、嘘吐いてやした。