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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第15章 約束は、守るものです
「……ビスカス?」
「何ですか、お嬢様」
何ですか、お嬢様?今ぁ、俺が忙しいんですけど。
何せ、こっちの相手ぁ、ドレスだからねー。お脱がせするのも、なかなか手間が掛かるもんだな。いくら俺が道具扱いのコツを憶えて来たっつっても、ナイフや箒たぁ訳が違いまさぁね。
白絹の特別な設えの初床の上の、青空色のドレス。
その傍らにゃあ、色とりどりの花片達。
その全てにかしずかれた、鮮やかな朱赤の薔薇みてぇな、俺の大事なお嬢様。
俺なんかが手折って許されるもんかと思い込んでたが、他の奴らにゃお嬢様を俺より大事に扱うなぁ、無理みてーだからな。俺が相手じゃ家の恥かもしれねぇが、そんな事より大事な事ぁ、お嬢様ご自身がお幸せで居る事だぁね。
それに、俺と添うってぇなぁ、お嬢様御自身のご希望だからね。俺なんぞといちゃいちゃしてるってのに、こんなに綺麗に笑ってらっしゃんだ。ちっとくれぇ幸せを噛みしめても、構わねーだろ。
お嬢様のご希望に全力でお答えしようと紐やなんかと格闘しながら生返事してたら、頭の上でふふっと笑う気配がした。
「ねえ?」
「へい?」
「……口づけしたいの。こっち向いて?」
「……畏まりました、お嬢様。」
可愛いご希望に答えると、お嬢様は柊屋敷のご夫婦直伝の口づけを、俺に実地でじっくり教えて下すった。
その後ぁ、お嬢様とご一緒に、お互いの大人の寝かしつけをたっぷりさせて頂いて、そんときゃあそんときで、また一騒動あったんですが……
……この日の日記ぁ、この辺までにしときまさぁね。
(→「初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています」という話に秘かに続く)