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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第16章 用法用量は大切です
*
無言。
……無言。
無言、だ。
柊屋敷からの帰路、リュリュは完全に無言だった。
口をきかなきゃいけねぇ用事は全部俺がやっていたから支障は無ぇが、とにかく、無言だ。
道中ずっと眉根を寄せて目を閉じていたんで、周りからは、具合が悪いとでも思われてたろう。
俺は、途中でリュリュに謝ろうとしたものの、全っ然出来ないままだった。
俺がサクナ様から貰った酒も、リュリュがスグリ様から貰った酒も、どっちも似たり寄ったりのエロい気分を煽る酒だと分かったからね。んなもんを女に黙ってこっそり使ったなんて、騙し討ちもいいとこだ。
理由が有っての事だって、サクナ様がリュリュに説明してくれなすったけど、酷ぇ事したのにゃあ、変わりねえ。謝るんなら、早い方が良い……と、思ったんだが。
徹頭徹尾、話し掛けるな!……という空気が、全身を包んでらっしゃった。
そんなに、俺と話したくねーんですか?
遂に愛想を尽かされたのか、俺……。
……いやいやいや。
リュリュぁ、俺の事ぁ絶対捨てねーって、仰ってたじゃねーか……そこを疑っちゃ、お仕舞いだぁね……。
んな風にごちゃごちゃ考えてるうちに、俺達ゃあ館に帰り着いちまった。