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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第8章 ビスカスくんの一番長い日
「ビスカスさんっ!!」
「……スグリ様…すいやせん…とりあえず、それ、貸して下せえ」
「…これっ?!」
スグリ様の薄衣を指差すと、少し震える指で一生懸命外そうとして下さった。

「ありがとうございやす…すいやせん、こっちも、使い物にならねー様に、しちまうかもです…」
長さが有るから破らねぇでも使えるだろうが、二人分の血が着くことになる。腕の良い洗濯屋に出しゃあ、元に戻るかも知れねーけどな。
…あ。前の洗濯屋じゃ、ダメですぜ?今度は、染み付いた血が落とせるとこにしねぇとだねー…

「構わないわ!使って!」
「ありがとー、ございやすー…」
ああ、骨イッたかな、若奥様。
申し訳ねーけど、仕方ねーですね。
俺は薄衣を捩って細くして、紐の様にした。普通に縛るより、その方が強ぇからだ。それを使って、吹っ飛んで壁にぶち当たって落ちたまま気絶してる若奥様を、後ろ手にして縛り上げた。
…最初っから、こうやっときゃ良かったんだよ。
これだけ縛っときゃ、また正気じゃ無ぇまま目が覚めたって、悪さは出来ねえ。
縛り上げ終えたら、どっと疲れた。
そのまんま、床に転がる。

「…あー…女ぁ見くびってた…」
「ビスカスさんっ!!血が!」
スグリ様、叫んでるねー。
俺は、鋏を抜くかどうか、少し考えた。腹の辺りなんで自力で抜けねーことも無ぇんだが、刺さり所があんまり良く無ぇ気がする。抜いたら凄ぇ血が出そうなんだよなー。

「…ちっとばかり、しくじりやしたねー…」
痛ぇ通り越して現実味が無え。
ってか痛く無え。痛くねーのは危ねんだよな…
「ビスカスさんっ!!」
「痛っ痛っ痛っ!」
うっわ。
なんだよ、ちゃんと痛ぇわw
スグリ様が、俺を抱き起こした。
さすが薪が持てるカヤネズミだが、急に動かされると、やっぱ痛ぇで…

「ビスカスさんっ…しっかりして!!」
「スグリ様っ…ぅぶっ!!」
俺を抱き起こしたスグリ様は、あろうことか俺の頭を胸にぎゅうぎゅう抱き締めた。今度ぁ痛くは無かった。
男なら誰しも夢見る、スグリ様のおっぱ…豊満で美しいお胸に、不可抗力で止むを得ず、ぎゅうぎゅう押し付けられている。
やべーです…天国か、ここぁ…

「…スグリ様…………窒息しやす……」
「いやっ!ビスカスさん、しなないでっ!」
ウサギ姫。
んな事言いながら、何してくれてやがるんですか。
逆に、いろんな意味で俺の命が危ねーですよ?
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