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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第9章 夢は夢だから夢なのです
俺ぁ、無垢なお嬢様の何よりも大事な純潔に、なんっっって、取り返しの付かねぇ事を…!!!!
しかも、クロウに見られてたとか、今からでも本っ気で気を失いてぇよ…!
穴が有ったら、入りてえ…!無かったら、穴ぁ掘ってでも、入りてぇですよ…!!
「……ひどいっ。」
「え」
声のした方を見ると、スグリ様が、憤慨されていた。
俺は、心底驚いた。
うっかりウサギの奴ぁ、憤慨なんて洒落た真似が出来たのかよ…!
俺の失礼な驚きを余所に、ウサギ姫の憤慨は続いた。
「酷いわっ、ビスカスさん!!いくら大怪我したからって、女心を弄んで良いって事は、無いでしょう?!」
「うっ」
や…弄んだつもりは無ぇんだが、ウサギ姫に言われちゃあ…端から見たら、そう見えんですかね…どれどれ。
死にそーになっちまってるからっていい気になって、
見てた野郎が驚く程もんのすっげぇ熱烈な口づけやら頬擦りやら交わしていた癖に、
命が助かって目が覚めた後で女に、
「あの時結婚の約束をしたでしょ?」
…って言われたら、
「俺は全部夢だと思ってた。お前の思い違いだ」
…って、全否定する男。
…………。
……ひっでえ……。
こうしてみると、どう見ても、女心を弄ぶ極悪人にしか、見えやせんやね……。
「…ローゼル様が、お気の毒すぎるわ……お可哀想っ……」
スグリ様ぁすっかり涙目涙声になってしまわれて、サクナ様によしよしと肩を抱かれている。
そのサクナ様までもがスグリ様の言葉に大きく頷いて、おっしゃった。
「お前、スグリの言う通りだぞ。ローゼルは、筋金入りの箱入り娘だからな。それを一番知ってる筈のお前が、あいつをそんな風に扱ったってのかよ…男の風上にも置けねぇな…」
……痛え。
お二方の言葉と視線が、突き刺さる。
おっしゃる事はその通りなんで、何も言えずに、押し黙った。
そんな俺を見て溜め息を吐くと、サクナ様はほんの少しだけ俺に同情する様な声音で言った。
「とりあえず、傷診て貰って、頭冷やせ。後の話ぁ、ローゼルが起きてからだ」