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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第9章 夢は夢だから夢なのです
「ローゼル様、よくお休みになれなかったみたいで、目が覚められて……ビスカスさんの様子を聞かれて」
「あー……」

 あー。聞かれちゃ誤魔化せねーだろうねー、ウサギぁ。これがクロウかサクナ様なら上手く丸め込んでまたお眠りになって頂いたんだろうが、仕方無え。
 そのクロウは何かを察したんだか何だか、さっきスグリ様達と入れ替わりに、会釈して影のように去って行っちまっていた。

「お顔を見るだけでも、落ち着かれるかと思って……急にお連れして、ごめんなさい」
「いや……」

 へにょんと萎れて、謝るウサギ。しゅんとした様子が何とも言えずお可愛らしい。サクナ様がいらしたら、これ幸いと撫で回してるところだが、俺ぁ撫で回す訳にゃあいかねぇよなあ。
 なんて答えりゃ良いか、迷っていたら、

「スグリ様?」

 スグリ様の向こうから、冷たく鋭く透明感の有る、天上の鈴の音様にキラキラと心地よい声が聞こえて来た。

 間違えっこ無え。お嬢様の声だ。

 昨日振りに聴く耳から脳天に突き抜ける凛とした響きに、俺は陶然となった。
 ……スグリ様じゃなくて、俺の名を呼んでくれても良かったんですぜ、お嬢様。お久し振りなんですから。
 俺がそう思っていたのが聞こえたかのように、お嬢様の声が響いた。

「ビスカスなんかに謝らなくても、宜しいんですのよ」

 俺、…………なんかにw
 出だしは良かったのに、続いてる部分でさり気なくこき下ろされている気がしてならない。昨日命が危なかった従僕に対しても、安定の暴君っぷり。
 さすが、お嬢様だ。

「ごめんなさいっ!」

 お嬢様の言葉を聞いたウサギ姫ぁ、反射的に謝った。
 謝らなくて良いと言って、謝らせる。お嬢様にゃあそんな気は無ぇんだろうが、生来の気品と迫力が、そうさせちまうんだろうな。ウサギ姫でも一溜まりも無え。きゅっと縊られたかの様に、反射的に謝っちまったんだろうねー。
 これも、もしサクナ様がいらしたら、撫で回されるのに格好のネタだぁねwww
 ……なんて面白がってたら、お嬢様がスグリ様の傍らに現れた。

 目が、チカチカする。
 お嬢様が鮮やかすぎて、今まで見えていた光景が、くすんで見える。

目が覚めてから今まで何の不都合も無く過ごしてたんだから、怪我が原因の異常じゃあ無え。むしろ、今現在が異常だ。
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