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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第12章 猿と刃物は使い様です
「スグリ様ぁ、年明けにゃ帰って来なさるんですよね?」
「ああ」
「都にゃあ、土産をたんとお持ちになったんですよね?」
「当然だろ」
「……何で、今、作って送るんですかい……?」
「そりゃあ、あいつに俺を忘れて欲しく無ぇからに決まってんだろうが。お前まさか、干し果物の意味知らねぇのか?」
「知ってやす。知ってやすけど……」
確かに、ここらの男が作る干し果物にゃあ、惚れた女への贈物って意味も有んだが。
忘れて欲しく無ぇって、何言ってんですか?べったべたにいちゃいちゃしてるお二人ですよね?いくらスグリ様がうっかりぽやーんでも、あんたを忘れる訳ぁねーでしょ?
しかも、あと何週間か後の年明けにゃあ、ここに帰って来なさるんですよね?で、ほんの何日か前に都にお戻りになった時にも、山程似たもんお持たせした、と。
なのにわざわざそいつを作って、金掛けて都に送るんですかい?そいつが着いてひと月も経たねぇ内に、ウサギぁお帰りなんですよ?
「……もんのすげぇ冗談ですね?」
「あ?何処が冗談なんだ?」
何処がって。端から見たら、全部冗談でしょ。だけどサクナ様は、普通に本気みてぇだね。
……駄目だ、この御方。嫁馬鹿が過ぎる。
俺は、嫁馬鹿を相手にしねーで放っとく事にした。分かり合えねーって、こういう事だねw
あんたの行動が理解出来んなぁ、この世でスグリ様だけですぜ。多分干し果物を受け取っても、大喜びなさるだけなんだろーね。あの突っ込み侍女が今の俺と同じ顔で、喜ぶウサギを眺めてんのが、目に浮かぶ様ですよwww
腹ん中で面白がってたら、耳を疑う呟きが聞こえた。
「そうだ。お前も作るか?」
「……へ?」
それこそ、冗談でしょ。
俺ですよ。知ってんでしょ。オレンジ切ってた筈なのに、気がついたらブラッドオレンジになってた奴ですよ?
「お前、喜ばせてぇ奴は居ねぇのか?」
「は?」
「俺は、スグリが喜ぶなら何でもするぞ?歌だって歌う」
今度こそ冗談ですよね?絶対止めて下せえ。
「……凄まじい惚気ですね……」
「惚気じゃ無ぇよ。あいつにゃあそん位する価値が有る。樹の天辺に一個だけ成ってる林檎みてぇな奴に惚れたんだ、形振り構ってられるかよ」
樹の天辺に一個だけ成ってる林檎みてぇな、お姫様。
それを聞いて俺の頭に浮かんだのは、何故か、スグリ様じゃ無かった。
「ああ」
「都にゃあ、土産をたんとお持ちになったんですよね?」
「当然だろ」
「……何で、今、作って送るんですかい……?」
「そりゃあ、あいつに俺を忘れて欲しく無ぇからに決まってんだろうが。お前まさか、干し果物の意味知らねぇのか?」
「知ってやす。知ってやすけど……」
確かに、ここらの男が作る干し果物にゃあ、惚れた女への贈物って意味も有んだが。
忘れて欲しく無ぇって、何言ってんですか?べったべたにいちゃいちゃしてるお二人ですよね?いくらスグリ様がうっかりぽやーんでも、あんたを忘れる訳ぁねーでしょ?
しかも、あと何週間か後の年明けにゃあ、ここに帰って来なさるんですよね?で、ほんの何日か前に都にお戻りになった時にも、山程似たもんお持たせした、と。
なのにわざわざそいつを作って、金掛けて都に送るんですかい?そいつが着いてひと月も経たねぇ内に、ウサギぁお帰りなんですよ?
「……もんのすげぇ冗談ですね?」
「あ?何処が冗談なんだ?」
何処がって。端から見たら、全部冗談でしょ。だけどサクナ様は、普通に本気みてぇだね。
……駄目だ、この御方。嫁馬鹿が過ぎる。
俺は、嫁馬鹿を相手にしねーで放っとく事にした。分かり合えねーって、こういう事だねw
あんたの行動が理解出来んなぁ、この世でスグリ様だけですぜ。多分干し果物を受け取っても、大喜びなさるだけなんだろーね。あの突っ込み侍女が今の俺と同じ顔で、喜ぶウサギを眺めてんのが、目に浮かぶ様ですよwww
腹ん中で面白がってたら、耳を疑う呟きが聞こえた。
「そうだ。お前も作るか?」
「……へ?」
それこそ、冗談でしょ。
俺ですよ。知ってんでしょ。オレンジ切ってた筈なのに、気がついたらブラッドオレンジになってた奴ですよ?
「お前、喜ばせてぇ奴は居ねぇのか?」
「は?」
「俺は、スグリが喜ぶなら何でもするぞ?歌だって歌う」
今度こそ冗談ですよね?絶対止めて下せえ。
「……凄まじい惚気ですね……」
「惚気じゃ無ぇよ。あいつにゃあそん位する価値が有る。樹の天辺に一個だけ成ってる林檎みてぇな奴に惚れたんだ、形振り構ってられるかよ」
樹の天辺に一個だけ成ってる林檎みてぇな、お姫様。
それを聞いて俺の頭に浮かんだのは、何故か、スグリ様じゃ無かった。