この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第12章 猿と刃物は使い様です
「スグリ様ぁ、年明けにゃ帰って来なさるんですよね?」
「ああ」
「都にゃあ、土産をたんとお持ちになったんですよね?」
「当然だろ」
「……何で、今、作って送るんですかい……?」
「そりゃあ、あいつに俺を忘れて欲しく無ぇからに決まってんだろうが。お前まさか、干し果物の意味知らねぇのか?」
「知ってやす。知ってやすけど……」

 確かに、ここらの男が作る干し果物にゃあ、惚れた女への贈物って意味も有んだが。

 忘れて欲しく無ぇって、何言ってんですか?べったべたにいちゃいちゃしてるお二人ですよね?いくらスグリ様がうっかりぽやーんでも、あんたを忘れる訳ぁねーでしょ?
 しかも、あと何週間か後の年明けにゃあ、ここに帰って来なさるんですよね?で、ほんの何日か前に都にお戻りになった時にも、山程似たもんお持たせした、と。
 なのにわざわざそいつを作って、金掛けて都に送るんですかい?そいつが着いてひと月も経たねぇ内に、ウサギぁお帰りなんですよ?

「……もんのすげぇ冗談ですね?」
「あ?何処が冗談なんだ?」

 何処がって。端から見たら、全部冗談でしょ。だけどサクナ様は、普通に本気みてぇだね。
 ……駄目だ、この御方。嫁馬鹿が過ぎる。

 俺は、嫁馬鹿を相手にしねーで放っとく事にした。分かり合えねーって、こういう事だねw
 あんたの行動が理解出来んなぁ、この世でスグリ様だけですぜ。多分干し果物を受け取っても、大喜びなさるだけなんだろーね。あの突っ込み侍女が今の俺と同じ顔で、喜ぶウサギを眺めてんのが、目に浮かぶ様ですよwww
 腹ん中で面白がってたら、耳を疑う呟きが聞こえた。

「そうだ。お前も作るか?」
「……へ?」

 それこそ、冗談でしょ。
 俺ですよ。知ってんでしょ。オレンジ切ってた筈なのに、気がついたらブラッドオレンジになってた奴ですよ?

「お前、喜ばせてぇ奴は居ねぇのか?」
「は?」
「俺は、スグリが喜ぶなら何でもするぞ?歌だって歌う」

 今度こそ冗談ですよね?絶対止めて下せえ。

「……凄まじい惚気ですね……」
「惚気じゃ無ぇよ。あいつにゃあそん位する価値が有る。樹の天辺に一個だけ成ってる林檎みてぇな奴に惚れたんだ、形振り構ってられるかよ」

 樹の天辺に一個だけ成ってる林檎みてぇな、お姫様。
 それを聞いて俺の頭に浮かんだのは、何故か、スグリ様じゃ無かった。
/141ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ