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写性 …SHASEI…
第2章 生い立ち
それまでも、僕は絵を描くことが好きで、美術部に属し、何度か賞をもらったこともあったのだが、
後世に残る作品を描く。淫靡なその本の絵に魅了されてしまったのだ。
絵描きになりたい。
僕は今まで絵描きなどは職業として成り立たないと思っていたのに、
生活できるかどうかでなく、絵を描き続けたい。
だから絵描きに成りたい。と考えるようになっていた。
僕は、美大に進学したいと両親に打ち明けた。
絵描きで食べていけるかわからないが、家業を継げばどうにかなるかもしれない。
いや、そうじゃなくて絵描きに成ってみせる。
そんな思いを打ち明けた。
美大に進むことは何も反対されなかったが、絵描きになることは許されないと…
実は沙織の実家の家業をも継いで、両家の安泰のために働かなければならない。
しかも、沙織は許嫁として両家で約束が交わされているのだと聞かされた。
沙織との結婚は望んでいることで何も問題ない。
美大に進学するのも構わない。
でも、絵を描き続けることは許されない。