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甘ったれなブルー
第2章 幸せのブルー

僕が紗羅と初めて会ったのは十七歳の時。同じ高校の同級生だった。紗羅はもの静かな女の子で、いつも一人で本を読んでいた気がする。彼女の周りだけ違う空気が漂っていて、まるで木漏れ日が差す森のような静寂をまとっていた。
近寄り難い神秘的な雰囲気の美少女。それが僕の印象で、憧れ混じりのほのかな恋心を抱いたが、何も行動に移せないまま卒業式を迎えた。
彼女に再会したのはそれから五年後。街の中央図書館に本を借りに行ったとき、リファレンスに座っていたのが紗羅だった。
名前を呼ばれても最初は分からなかった。僕に柔らかい笑みを向けている若い女性。
でも、その整った優しい顔立ちは次第に僕の記憶を呼び覚した。僕の憧れだった藤川紗羅との再会である。
聞けば大学を卒業してから図書館で司書をしているという。その日から僕は紗羅に会うために図書館に足繁く通った。
近寄り難い神秘的な雰囲気の美少女。それが僕の印象で、憧れ混じりのほのかな恋心を抱いたが、何も行動に移せないまま卒業式を迎えた。
彼女に再会したのはそれから五年後。街の中央図書館に本を借りに行ったとき、リファレンスに座っていたのが紗羅だった。
名前を呼ばれても最初は分からなかった。僕に柔らかい笑みを向けている若い女性。
でも、その整った優しい顔立ちは次第に僕の記憶を呼び覚した。僕の憧れだった藤川紗羅との再会である。
聞けば大学を卒業してから図書館で司書をしているという。その日から僕は紗羅に会うために図書館に足繁く通った。

