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愛は奪うもの。故に我は貴女を奪う。
第1章 寂しい体
頬杖をついた美緒が窓の外をぼんやり眺めながら感傷に浸っていると「結城先輩・・ですよね」という遠慮がちな声に、漂っていた意識を引き戻された。目の焦点が合いハッと我に返る。

目の前の大きなウィンドーに自分の顔とカフェの店内が映り込んでいる。そして美緒の隣にスーツ姿の背の高い若い男性が立っていた。

「槙野くん?」
「どうしたんですか?こんなところで」
「別に・・槙野くんの方こそこんな場所でどうしたの?」
「仕事帰りですよ。珍しく今日は残業なかったので直帰です。僕の住んでるマンションはこの近くなんですよ。隣、座ってもいいですか」

「あ・・え、ええ、いいわよ」
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