- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
感情のない世界 // 更新される景色
第4章 を
「あなたを初期化したらね、わたし…」
「……?」
「たぶん、マスターには、ならないわ」
嗚咽混じりの声は、聞き取るのが難しい。
しかも今の僕は異常事態。
…だからなんだ。君の願いを聞きいれるのは今しかないんだ。
僕は君の口許へ顔を寄せた。
同時に、肩を抱き寄せて──。
「まっさらになったあなたに、出会いたいの」
「……!」
「マスターじゃない私を、愛してほしいの…っ」
まさかそんな言葉を聞くことになろうとは……思いも、せず。
.....
確かに君は、小さな頃から我が儘で
一度決めた事は曲げない強情者で
対処に困ったことが何度もあったさ。