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小悪魔とはこういう女子をいうんだな
第1章 ひとめぼれ
「かっちゃん~~~」
再び、彼女が呼んできた。鼻にかかった、甘えるような声、だ。
しかし、その愛称、どこで知ったんだ?
恋に狂いかけた僕を、リアルに引き戻したのは、その愛称。
それは、確かに僕の愛称だったが、僕は、あることをきっかけに、そう呼ばれるのを封印していた。当時はやっていたスポーツもののアニメの主人公男子の親友兼ライバル男子の愛称と同じで、しかも物語の途中で彼が事故死してしまった。僕は、この愛称で呼ばれるたびに<死>を連想してしまい、友人たちに呼び方を変えてくれと懇願。友人たちもわかってくれて、僕の愛称は、それまでの
<かっちゃん>
から
<かっくん>
に変更されていた。
禁断の呼び方で呼ばれたので、僕は、ちょっと嫌な気分になった。
しかし、これも後から思えば、非常に幸運なことだった。この、僕をリアルに引き戻すツールみたいな禁断愛称を彼女が再三呼んできたおかげで、僕は、彼女の魔性に惑わされずに済んだわけ、だから。
「その呼び方、どこで、知ったの?」
僕は、先ほどとは打って変わった、冷静な感じで問いかけた。
「それくらい、常識だよ~~~。大好きな男子のことは、何から何まで全部、調べるでしょう~~~?フツー」
<大好き>?
僕は、一瞬、再び奈落に落ちかけた。
「ねえ、かっちゃん~~~」
僕は、平静を取り戻した。
「わたしと遊ぼうよ~~~。ねえ~~~。いいでしょ~~~?」
再び、彼女が呼んできた。鼻にかかった、甘えるような声、だ。
しかし、その愛称、どこで知ったんだ?
恋に狂いかけた僕を、リアルに引き戻したのは、その愛称。
それは、確かに僕の愛称だったが、僕は、あることをきっかけに、そう呼ばれるのを封印していた。当時はやっていたスポーツもののアニメの主人公男子の親友兼ライバル男子の愛称と同じで、しかも物語の途中で彼が事故死してしまった。僕は、この愛称で呼ばれるたびに<死>を連想してしまい、友人たちに呼び方を変えてくれと懇願。友人たちもわかってくれて、僕の愛称は、それまでの
<かっちゃん>
から
<かっくん>
に変更されていた。
禁断の呼び方で呼ばれたので、僕は、ちょっと嫌な気分になった。
しかし、これも後から思えば、非常に幸運なことだった。この、僕をリアルに引き戻すツールみたいな禁断愛称を彼女が再三呼んできたおかげで、僕は、彼女の魔性に惑わされずに済んだわけ、だから。
「その呼び方、どこで、知ったの?」
僕は、先ほどとは打って変わった、冷静な感じで問いかけた。
「それくらい、常識だよ~~~。大好きな男子のことは、何から何まで全部、調べるでしょう~~~?フツー」
<大好き>?
僕は、一瞬、再び奈落に落ちかけた。
「ねえ、かっちゃん~~~」
僕は、平静を取り戻した。
「わたしと遊ぼうよ~~~。ねえ~~~。いいでしょ~~~?」